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二三日
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にさんにち
「
二三日雨が多かつたものですから、わたしの庭の
一番好い花を切つたのですけれど、この
通なんですよ。」
二三日前に、
私はかういふ
計畫をした。あしたからは、こゝで
春の
若菜を
摘まうと
繩張りをしておいたこの
野に、いよ/\
摘まうと
思つて、
朝出て
見ると、
雪が
降つてゐる。
さうなれば僕も山の
芋を
二三日埋けて
置いて
竹葉神田川へ
却売りをする。
實際、
遠く
是を
望んだ
時は——もう
二三日、
奧州の
旅に
馴れて
山の
雪の
珍しくない
身も、
前途に
偶と
土手を
築いて
怪しい
白氣の
伏勢があるやうに
目を
欹てたのであつた。