こッ)” の例文
何うもこれは出来ないわざでげすな、ちょいとぎょくを付けて、祝儀を遣った其の上で、情夫いゝひとに会わして遣るなんてえ事は中々出来るこッちゃア有りやせん
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……(下人に對ひて)おのしそばってゐながら、わし隨意的えいやうにされてゐるのを、てゐるとはなんこッちゃい。
しめた! この男のこの大きな吸筒すいづつ、これには屹度きっと水がある! けれど、取りに行かなきゃならぬ。さぞ痛むこッたろうな。えい、如何どうするもんかい、やッつけろ!
あんまりだからい……人の感情を弄んだの本田に見返ったのといろんな事を云って讒謗ざんぼうして……自分の己惚うぬぼれでどんな夢を見ていたって、人の知たこッちゃ有りゃしない……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ちょいと、いかなこッても小待合へなんぞ倒込むんですって。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女がまた打投げたと見えてドッシン/\と音がアして、はてにア孩児の声も出なくなって、死ぬだんべいと思ったが、外のこッてねえから魂消ているうち
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こうと知ったら、定めし白髪しらが引挘ひきむしって、頭を壁へ打付けて、おれを産んだ日を悪日あくびのろって、人の子を苦しめに、戦争なんぞを発明した此世界をさぞののしこッたろうなア!
唸声うなりごえ顕然まざまざと近くにするが近処あたりに人が居そうにもない。はッ、これはしたり、何のこッた、おれおれ、この俺がうなるのだ。微かな情ない声が出おるわい。そんなに痛いのかしら。
母「さア作右衞門さんこれで別れましょうよ、何処どこまで送っても同じこッたからこれで」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おれは信州飯山いいやまぜえでごぜえますから、めったに来る事もあるめえが、善光寺へ参詣にでも来ることが有ったら是非寄って下せえまし、田舎のこッたから、何も外に御馳走の仕ようがえから
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
村の者も今迄はかてえ人だったが、う言う訳だがな泊り歩くが、役柄もしながらハアよくねえこッたア年老としとった親を置いて、なんて悪口わるくちく者もあるで、なるだけ他人ひとには能く云わしたいが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「何処どけへ行こうとおめえさんの知ったこッちゃアねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)