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丹頂
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たんちょう
ふりがな文庫
“
丹頂
(
たんちょう
)” の例文
一双
(
いっそう
)
の
屏風
(
びょうぶ
)
の絵は、むら消えの雪の小松に
丹頂
(
たんちょう
)
の鶴、
雛鶴
(
ひなづる
)
。一つは
曲水
(
きょくすい
)
の
群青
(
ぐんじょう
)
に桃の
盃
(
さかずき
)
、
絵雪洞
(
えぼんぼり
)
、桃のような
灯
(
ひ
)
を
点
(
とも
)
す。……ちょっと
風情
(
ふぜい
)
に
舞扇
(
まいおおぎ
)
。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あいつは、
丹頂
(
たんちょう
)
のお
粂
(
くめ
)
といって、名うてな女賊ですぜ、どうです、どこかの茶屋のかみさんという
風体
(
ふうてい
)
、まさか、女の
盗人
(
ぬすっと
)
とは見えなかったでしょう」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丹頂
(
たんちょう
)
の
鶴
(
つる
)
、たえず鼻を巻く大きな象、遠い国から来たカンガルウ、
駱駝
(
らくだ
)
だの
驢馬
(
ろば
)
だの鹿だの羊だのがべつだん珍らしくもなく歩いて行くかれの眼にうつった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
もっともあの女は七人花嫁をさらった
丹頂
(
たんちょう
)
のお
鶴
(
つる
)
の妹だということだ。それくらいの事はするだろうよ。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
草庵の前には童子が
丹頂
(
たんちょう
)
の鶴を世話していた。人びとは老人の前へ往って礼拝をした。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
二羽の
丹頂
(
たんちょう
)
の棲んでいる鉄柵でこしらえた、
円形
(
まるがた
)
の檻があり、檻の周囲は、ローマの円形劇場か、両国の国技館の観覧席のように爪先上りになって、その場所全体が
擂鉢形
(
すりばちがた
)
をしている。
動物園の一夜
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
ある時
石川郡
(
いしかわごおり
)
市川
(
いちかわ
)
村の
青田
(
あおた
)
へ
丹頂
(
たんちょう
)
の鶴
群
(
む
)
れ
下
(
くだ
)
れるよし、
御鳥見役
(
おとりみやく
)
より
御鷹部屋
(
おたかべや
)
へ
御
(
ご
)
注進になり、
若年寄
(
わかどしより
)
より直接
言上
(
ごんじょう
)
に及びければ、
上様
(
うえさま
)
には
御満悦
(
ごまんえつ
)
に
思召
(
おぼしめ
)
され、翌朝
卯
(
う
)
の
刻
(
こく
)
御供揃
(
おともぞろ
)
い相済み
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
抱くばかりにしたのだが、
余所目
(
よそめ
)
には
手負
(
てお
)
へる
鷲
(
わし
)
に、
丹頂
(
たんちょう
)
の
鶴
(
つる
)
が
掻掴
(
かいつか
)
まれたとも何ともたとふべき
風情
(
ふぜい
)
ではなかつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
毒婦
丹頂
(
たんちょう
)
のお鶴の妹で、
綱吉
(
つなきち
)
の
妾
(
めかけ
)
になり、
海雲寺
(
かいうんじ
)
の富籤で、一と役買って出たお勢。その後、お上の探索の手を
逸
(
のが
)
れて、しばらく姿を見せなかった不思議な美女です。
銭形平次捕物控:019 永楽銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ありゃ東村山だろう、こちら、西村山の
方
(
かた
)
で、市へは初めてだが、
丹頂
(
たんちょう
)
のお
粂
(
くめ
)
とはよく知っていなさる仲だ。おお、そういえば抜け買いの組はもうみんな来ているかね」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丹頂
(
たんちょう
)
の
姐御
(
あねご
)
も、元を思えば、近頃はまったく
尾羽
(
おは
)
を
打
(
う
)
ち枯らしたものです。
藍気
(
あいけ
)
のさめた
浴衣
(
ゆかた
)
にさえ
襟垢
(
えりあか
)
をつけている旅役者の残党に交じって、
曲独楽
(
きょくごま
)
の稽古をやらなければならない境遇。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
丹頂
(
たんちょう
)
のお鶴、御用だッ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
白き
衣
(
ころも
)
をつけた
居士
(
こじ
)
のすがたとみえたのは、はからざりき一
羽
(
わ
)
の
丹頂
(
たんちょう
)
! まっ白な
翼
(
つばさ
)
をハタハタとひろげて、四人の上に
輪
(
わ
)
をえがいて
舞
(
ま
)
いめぐり、あれよと見るまに有明けの月のかげをかすめて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
丹頂
(
たんちょう
)
のお鶴、御用だッ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“丹頂”の意味
《名詞》
丹頂 (たんちょう)
頂の赤いこと。
鳥の一種。タンチョウを参照。
《品種》(丹頂、タンチョウ) 動植物の品種名の一つ。
(出典:Wiktionary)
丹
常用漢字
中学
部首:⼂
4画
頂
常用漢字
小6
部首:⾴
11画
“丹頂”で始まる語句
丹頂千歳