)” の例文
なかんずく役人の旅費ならびに藩士一般に無利足むりそく拝借金、またはだされ切りのごときは、現に常禄の外に直接の所得というべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「又何かだらない事を考えているな。よせよせ」上さんの肩の所に手を掛けて、二三遍ゆさぶって置いて、自分の床に据わった。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
勘弁かんべんしてらつせえ。うゝとも、すうとも返答へんたふすべもねえだ…わし先生せんせいはれるは、ほぞつては最初はじめてだでね。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふくやいそいでお医者様いしやさまへおとつさんそこにつてらつしやらないでうかしてやつてださいりやうさん鳥渡ちよつと手拭てぬぐひ
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「わたくしも日露戰爭の時には儲けそこねました。」或筋から内命がだつて、露領の沿海州まで、日本ではまだ本當にやつてゐない遠洋漁業の組織で密漁船を出す計畫を
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
どうしてまた君が遙々と奧州んだりから擔ぎ出して來たあれだけの懸物の中に
奇病患者 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
警視庁の方でも博士に向かって手をだすことは出来なかった。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なぜというに、この言い争っている一群ひとむれの中に、芸者が真に厭だとか、だらないとか思っているらしいものは一人もない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いかに何でも奥州んだりから商売の資本を作るつもりで、これだけの代物を提げてきたという耕吉の顔つきを、見なおさずにはいられないといった風で、先生はハキハキした調子で言った。
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
口に言わないでも心におもっいやな顔をするにきまって居る。私はソンな不愉快な屋敷に住もうと思わない。何はさて置き、構うことはない、ドウぞこの金を渡してださい。皆無かいむ損をしてもよろしい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
平八郎等の舟がそれにまじつてのぼつたりだつたりしてゐても、誰も見咎みとがめるものはない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)