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一挺
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いつちやう
ト
件の
麻袋の
口を
開けて、
握飯でも
出しさうなのが、
一挺小刀を
抽取つて、
無雑作に、さくりと
当てる、ヤ
又能く
切れる、
枝はすかりと
二ツに
成つた。
私もお
跡から
參りまするとて
日のうちには
看護の
隙をうかゞひて
驅け
出すこと
二度三度もあり、
井戸には
蓋を
置き、きれ
物とては
鋏一挺目にかゝらぬやうとの
心配りも、
危きは
病ひのさする
業かも
……どうも
平民は、すぐに
勘定にこだはるやうでお
恥かしいけれども、
何事も
此の
方が
早分りがする。……
豆府一挺の
値が、
五厘から
八厘、
一錢、
乃至二錢の
頃の
事である。……
食つたな!
何うも。