トップ
>
一抱
>
ひとかかえ
ふりがな文庫
“
一抱
(
ひとかかえ
)” の例文
すると少佐はジープの中へ
上半身
(
じょうはんしん
)
をさし入れて、ごそごそやっていたが、やがて中から
一抱
(
ひとかかえ
)
ある布ぎれ細工のものをとりだした。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お兼は立去りあえず
頭
(
かしら
)
を垂れたが、つと
擬宝珠
(
ぎぼうし
)
のついた、
一抱
(
ひとかかえ
)
に余る古びた橋の欄干に目をつけて、
嫣然
(
えんぜん
)
として、振返って
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一抱
(
ひとかかえ
)
もある松ばかりが
遥
(
はるか
)
の
向
(
むこう
)
まで並んでいる下を、長方形の石で敷きつめた間から、短い草が
物寂
(
ものさ
)
びて生えている。靴の底が石に落ちて一歩ごとに鳴った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雪が十分深く積ると、夏の間は足も入れられないような山奥までも馬橇が通うようになって、
一抱
(
ひとかかえ
)
も二抱もある材木が、案外容易に運び出されるようになるのである。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
丈
(
たけ
)
なす
茅萱
(
ちがや
)
半
(
なか
)
ばから、
凡
(
およ
)
そ
一抱
(
ひとかかえ
)
ずつ、さっくと切れて、
靡
(
なび
)
き伏して、隠れた土が
歩一歩
(
ほいっぽ
)
、
飛々
(
とびとび
)
に
顕
(
あらわ
)
れて、五尺三尺一尺ずつ、
前途
(
ゆくて
)
に
渠
(
かれ
)
を導くのである。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ます
茸
(
だけ
)
というのは
広葢
(
ひろぶた
)
ほどの大きさで、切って
味噌汁
(
みそしる
)
の中へ入れて煮るとまるで
蒲鉾
(
かまぼこ
)
のようだとか、
月見茸
(
つきみだけ
)
というのは
一抱
(
ひとかかえ
)
もあるけれども、これは残念だが食えないとか
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おお、そうだったか」と云いながら、はなはだ面倒そうに洋服を脱ぎ
更
(
か
)
えて、いつもの通り
火鉢
(
ひばち
)
の前に坐った。御米は
襯衣
(
シャツ
)
や
洋袴
(
ズボン
)
や
靴足袋
(
くつたび
)
を
一抱
(
ひとかかえ
)
にして六畳へ
這入
(
はい
)
った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小形の牛だと言ふから、近頃
青島
(
せいとう
)
から
渡来
(
とらい
)
して
荷車
(
にぐるま
)
を
曳
(
ひ
)
いて働くのを、山の手でよく見掛ける、あの
若僧
(
わかぞう
)
ぐらゐなのだと思へば
可
(
い
)
い。……
荷鞍
(
にぐら
)
にどろんとした
桶
(
おけ
)
の、
一抱
(
ひとかかえ
)
ほどなのをつけて居る。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一抱
(
ひとかかえ
)
も
二抱
(
ふたかかえ
)
もある大木の枝も幹も
凄
(
すさ
)
まじい音を立てて、一度に風から
痛振
(
いたぶ
)
られるので、その動揺が根に伝わって、彼らの踏んでいる地面が、地震の時のようにぐらぐらしたと云うのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
柳は早うしろの
方
(
かた
)
遥
(
はるか
)
になりて、うすき霧のなかに灰色になりたる、ほのかに見ゆ。松の姿の丈高きが、
一抱
(
ひとかかえ
)
の幹に月を隠して、途上六尺、
隈
(
くま
)
暗く、枝しげき間より、長き橋の欄干低く眺めらる。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
桑があんなに大きくなってますと番頭が
指
(
ゆびさ
)
した。なるほど
一抱
(
ひとかかえ
)
もある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて
一抱
(
ひとかかえ
)
もあろう……頭と尾ごと、
丸漬
(
まるづけ
)
にした
膃肭臍
(
おっとせい
)
を三頭。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
抱
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥