“捏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
81.8%
こね6.5%
でっ3.5%
2.9%
でつ1.8%
1.2%
つく0.6%
てこ0.6%
ねり0.6%
デツ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかには、海豹、海驢あしか緑海豹グリーン・シールなど十匹ほどのものが、ひれで打ちあいウオーウオーとえながら、狭いなかをねかえすような壮観だ。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
お鳥はまたさう思はれたくないので、わざと、義雄の困る樣に、人々の前で、また聽えよがしに、勝手なだだをこねることがある。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
それでも鬼が来てのぞくか、楽書ででっちたような雨戸の、節穴の下にひいらぎの枝が落ちていた……鬼もかがまねばなるまい、いとど低い屋根が崩れかかって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこいらの身のほど知らずがっちあげた、まるで自然をぶちこわして裏返しにしたような、怪しげな眉唾ものに飛びついてゆく。
「二人の口が合ひさへすれば、どんな證據でもでつちあげられるものなら、世の中に所刑臺おしおきだいに乘る馬鹿は無くなるよ」
砂と云つても此地方のは徴細な粘土質の物で、城内の家屋は殆ど全部が屋根も壁も其砂をつて固めた一階の平房建築である。
きちんと坐り込んで莨をっていた父親が、いきなり起ち上ると、子供の着物や母親の襦袢じゅばんのような物を、両手でさらって、ジメジメした庭へつくねてほうり出した。庭には虫の鳴くのが聞えていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
てこでも動かぬにこうじ果てて、すっぱすっぱ煙草たばこを吹かすやら、お前様、くしゃみをするやら、向脛むかはぎたかる蚊をかかと揉殺もみころすやら、泥に酔った大鮫おおざめのような嘉吉を、浪打際に押取巻おっとりまいて、小田原評定ひょうじょう
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やっと気がついて、水と、葡萄酒の樽と、二十五斤入りの乾麺麭の袋を一つ投げてよこしたが、乾麺麭の袋は見当がちがって海に落ち、引揚げたときは大きなねり粉の塊りになっていた。
海難記 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いざなぎの命の鎮りますひのわかみや(日少宮)は、実在の近江の地から、逆に天上の地をデツちあげたので、書紀頃の幼稚な神学者の合理癖の手が見える様である。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)