)” の例文
そこいらの身のほど知らずがっちあげた、まるで自然をぶちこわして裏返しにしたような、怪しげな眉唾ものに飛びついてゆく。
腰附、肩附、歩行あるふりっちて附着くッつけたような不恰好ぶかっこう天窓あたまの工合、どう見ても按摩だね、盲人めくららしい、めんない千鳥よ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だいいちあの、いかにもっちあげたような不自然な形が、一方変貌という理論を、力づけていたのではないでしょうか
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
孫は、日ごろから林冲りんちゅうの人となりを知っているし、また、節堂事件が、高家のッち上げくさいことは、すぐ感づいたので、われから進んで、いきさつを洗ってみた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勿論、巫術[#「巫術」は底本では「術」]などでは、たくみな扮飾を施して、それを恐ろしい鬼面にっち上げるのだが、現在僕の手に、それを証明する恰好な文献があるのだ。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)