“みみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミミ
語句割合
94.9%
耳朶1.4%
御身1.4%
0.5%
御見0.5%
耳底0.5%
耳腔0.5%
聴覚0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笠森かさもりのおせんだと、だれいうとなくくちからみみつたわって白壁町しろかべちょうまでくうちにゃァ、この駕籠かごむねぱなにゃ、人垣ひとがき出来できやすぜ。のうたけ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
黒い房々とした髪の間から白い耳朶みみが覗いていた。小さな薄い耳朶みみであった。灯火に透したら一々血管がすいて見えそうな柔かい赤みを帯びた肉片であった。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
独神ひとりがみ御身みみ隠します時すらやかく雲海はありて被ひき
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
天地あめつち初發はじめの時、高天たかまはらに成りませる神のみなは、あめ御中主みなかぬしの神。次に高御産巣日たかみむすびの神。次に神産巣日かむむすびの神。この三柱みはしらの神は、みな獨神ひとりがみに成りまして、みみを隱したまひき
すなはちみその中によろひし、弓矢をばして、馬に乘りて出で行きて、忽の間に馬より往きならびて、矢を拔きて、その忍齒の王を射落して、またそのみみを切りて、馬ぶねに入れて
「おそなわって相すみませぬ。いずれも様の御見みみに入りかたじけのう存じまする」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
かの時別荘の門に送りでて「早く帰ってちょうだい」と呼びし声は今も耳底みみに残れど、今はたれに向かいて「今帰った」というべきぞ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
私は、そのうつろな耳腔みみ諄々じゅんじゅんささやくことで驢馬の記憶を呼びさまそうとした。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
御承知か知りませんが、鰒に中毒あたると何もかも痲痺しびれてしもうて、一番しまい間際がけ聴覚みみだけが生き残ります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)