三成の耳朶は、紅かった。——刑部は自分のほうへ、彼がズズと畳をずる音をさせて来たので、ハッと肩を持ち直した。
雪之丞が、さも、悲哀に充ちた調子で、そう言って、うなだれてしまうと、火のように熱い息が、彼の耳朶にふれて、そして、驚くべき囁きが、聴かれるのであった。
門口を押し開いてはいってゆく秀子の耳朶がまた、山田の眼の中に刻まれた。山田はぼんやりして足を返した。と急に、自分のうちの何物かが彼女と共に奪い去られたような気がした。
“耳朶”の意味
“耳朶(耳たぶ)”の解説
耳たぶ(みみたぶ)は外耳の構成要素で耳殻の下部に垂れ下がった柔らかい肉のこと。耳朶(じだ)、耳垂(じすい)、耳たぼ(みみたぼ)とも言う。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
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