“耳底”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じてい83.3%
みみ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隣の小路こうじもただ人のけはひの轟々ごうごうとばかり遠波の寄するかと、ひツそりしたるなかに、あるひは高く、あるひは低く、遠くなり、近くなりて、耳底じていに響き候のみ。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
間もなく第三の三浦糸子射殺事件が更に大々的活字で報道されるのかと思うと、警部の耳底じていに、新聞社の輪転機の轟々ごうごうたる響がにわかに聞こえてくるようだった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かの時別荘の門に送りでて「早く帰ってちょうだい」と呼びし声は今も耳底みみに残れど、今はたれに向かいて「今帰った」というべきぞ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)