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耳底
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じてい
ふりがな文庫
“
耳底
(
じてい
)” の例文
隣の
小路
(
こうじ
)
もただ人のけはひの
轟々
(
ごうごう
)
とばかり遠波の寄するかと、ひツそりしたるなかに、あるひは高く、あるひは低く、遠くなり、近くなりて、
耳底
(
じてい
)
に響き候のみ。
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
間もなく第三の三浦糸子射殺事件が更に大々的活字で報道されるのかと思うと、警部の
耳底
(
じてい
)
に、新聞社の輪転機の
轟々
(
ごうごう
)
たる響がにわかに聞こえてくるようだった。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
然し渠は、朝になつてから、渠に向つて呑牛の相方が語つたことを
耳底
(
じてい
)
に殘した、
乃
(
すなは
)
ち、かうだ——
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
十年前
臨終
(
りんじゅう
)
の
床
(
とこ
)
で自分の手をとり泣いて
遺命
(
いめい
)
した父の
惻々
(
そくそく
)
たる言葉は、今なお
耳底
(
じてい
)
にある。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
花曇りに暮れを急いだ日は
疾
(
と
)
く落ちて、表を通る駒下駄の音さえ手に取るように茶の間へ響く。
隣町
(
となりちょう
)
の下宿で
明笛
(
みんてき
)
を吹くのが絶えたり続いたりして眠い
耳底
(
じてい
)
に折々鈍い刺激を与える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“耳底”の意味
《名詞》
(context、anatomy)耳の奥。
(出典:Wiktionary)
耳
常用漢字
小1
部首:⽿
6画
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
“耳”で始まる語句
耳
耳朶
耳許
耳目
耳語
耳門
耳環
耳盥
耳面刀自
耳障