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まちたま
疑がふは
罪ふかき
事なり
一日二日待給へ
好き
御返事の
參るは
定ぞと
言ひしに
違ひは
無かるべし
若しさうならば
何とせん
八重は
上もなき
恩人なれば
何ごとなり
共氣に
入ることして
悦ばせたし
歳は
下なれど
分別ある
人とて
言少なゝれば
願ひは
有や
望みはなしや
知れ
難きを
又逢ふ
場所は
某の
辻某の
處に
待給へ
必らずよと
契りて
別れし
其夜のこと
誰れ
知るべきならねば
心安けれど
心安からぬは
松澤が
今の
境涯あらましは
察しても
居たものゝそれ
程までとは
思ひも
寄らざりしが
其御難儀も
誰がせし
業ならず
勿躰なけれど
我が
親うらみなり
聞かれぬまでも
諫めて
見んか
否父は