“さんき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山気73.1%
山鬼7.7%
三騎3.8%
参木3.8%
山氣3.8%
算木3.8%
纂記3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山気さんきというものの迫り来る憂いは更にないから、どう考えても、ここ十里四方には、山らしい山というものは無いと思わねばなりません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いや、大いに意見があると云う程でも無いんですが、近頃僕が取調べた所では、概略ずこんな訳なんです。日本ばかりでなく、支那にも昔から山鬼さんき又は野婆やばなどと云う怪物の名が伝えられています。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
紫野なでしこ折ると傘たたみ三騎さんきの人に顔見られけり
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
鈍重な波のまにまに、破れた黒い帆が傾いてぎしぎし動き出した。白皙はくせき明敏な中古代の勇士のような顔をしている参木さんきは、街を廻ってバンドまで帰って来た。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
鮮紅からくれなゐと、朱鷺ときと、桃色もゝいろと、薄紅梅うすこうばいと、と、しゆと、くすんだかばと、えたと、さつ點滴したゝべにと、むらさききり山氣さんきして、玲瓏れいろうとしてうつる、窓々まど/\あたかにし田毎たごとつきのやうな汽車きしやなかから
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
筮竹ぜいちく算木さんきをつまぐりはじいていましたが、やがて勿体らしく書きしたためた筆答が、また少なからず人を喰ったものばかりでした。
跋文ばつぶんを読むに、この書は二世瑞仙晋ずいせんしんの子直温ちょくおんあざな子徳しとくが、慶応元年九月六日に、初代瑞仙独美の五十年忌辰きしんあたって、あらたに歴代の位牌いはいを作り、あわせてこれを纂記さんきして、嶺松寺に納めたもので
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)