-
トップ
>
-
ごこんい
御懇意の
間と
云ひ、それにです。
貴方は
私のためには
恩人でおいでなさる。
手の
先と
天窓の
先を
揃へ、
胴を
詰めて
閑雅に
辞儀をして、かね/″\お
招きに
預かりました
半田屋の
長兵衛と
申す者で、
至つて
未熟もの、
此後ともお
見知り
置かれて
御懇意に願ひますと
云ふと
父さま
無二の
御懇意とて
恥かしき
手前に
薄茶一
服參らせ
初しが
中々の
物思ひにて
帛紗さばきの
靜こゝろなく
成りぬるなり
扨もお
姿に
似ぬ
物がたき
御氣象とや
今の
代の
若者に
珍らしとて
父樣のお
褒め
遊ばす
毎に
我ことならねど
面て
赤みて
其坐にも
得堪ねど
慕はしさの
數は
増りぬ
左りながら
和女にすら
云ふは
始めて
云はぬ
心は