“かへりみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
68.0%
12.0%
顧見4.0%
反顧4.0%
回視4.0%
眷顧4.0%
顧視4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この亡夫と云ふ言葉に、この寢室の祕密が——この寢室の堂々としてゐながら、打ち棄てゝかへりみられないと云ふ魔力が——ひそんでゐるのだ。
認めてゐるだけに、今まで自分達が先生に對して取つて來た態度が、幾らかうしろめたい心持でかへりみられた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
春枝夫人はるえふじんうるはしきかほは『あら。』とばつかり、その良君おつと顧見かへりみる。わたくし彼方かなたへ! 彼方かなた此方こなたへ! まろぶがごとく※
此處こゝ秘密ひみつ塲所ばしよ入口いりくちです。』と櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさわたくし顧見かへりみた。此時このときはまだ工事こうじはじまらぬとへ、れいてつひゞききこえず、なかはシーンとして、すごほど物靜ものしづかだ。
かかれば良縁のむなしからざること、ちようとらへんとする蜘蛛くもの糸よりしげしといへども、反顧かへりみだにずして、例の飄然忍びてはゑひの紛れの逸早いつはや風流みやびに慰み、内には無妻主義を主張して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
折しも鴎の鳥のうち羽ぶきゆくあり、そが雪なす翅の巴絵ともゑを描くにみちびかれて、いまここより舞鶴城の残趾を回視かへりみむはえがたき好機会なるべし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
むべき哉三一みつひとつにいます者、汝わが子孫をかくねんごろに眷顧かへりみたまふ。 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
何だか銘〻の影法師が顧視かへりみらるゝ様な心地のする寂しい室内の雨音の聞える中で寒素な食事を黙〻として取つた光景が眼に浮んで来て、自分が何だか今迄の自分で無い
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)