“みかえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見返56.7%
16.7%
見顧6.7%
視返6.7%
見替3.3%
顧盻3.3%
顧眄3.3%
顧視3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いいえ、これでも一本立ち、お前さんも稼業人かぎょうにんになるなら覚えておおき、女掏摸すり見返みかえりおつなというものさ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
華奢きゃしゃ洋傘こうもりをパッとひろげて、別に紅い顔をするのでもなく薄い唇の固く結ぼれた口もとに、泣くような笑うような一種冷やかな表情を浮べて階壇を登って行ってしもうた、土方はもうみかえる者もない
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
休憩所をふらふらと出て、夢遊病者むゆうびょうしゃのように町から村を過ぎ、私の住居だった家なんか見顧みかえりもしないで、畑の畔つたいに彼女の部屋の方へ近寄っていったのです。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
しばし音なければ、彼方かなたに立てる小親のかた視返みかえりたり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さてこそ子爵が詞通ことばどおり、思想も発達せぬなま若い者の感情、都風の軽薄に流れて変りしに相違なきかとしきりに迷い沈みけるが思いかねてや一声はげしく、今ぞしったり移ろいやすき女心、我を侯爵に見替みかえ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此方こちらのお若はそんな事は少しも知りませんで、セッセと掃除をおわり、ごみを塵取りに盛りながら、通りのにぎやかなのに気がいてフイト顧盻みかえりますと
渠は愚弄ぐろうの態度を示して、両箇ふたりのかたわらに立ちまりぬ。白糸はわずかに顧眄みかえりて、つるがごとく言い放てり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト眼を細くして娘の方を顧視みかえる。こういうにらめ方も有るものと見える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)