見顧みかえ)” の例文
導いて行こうとすると日本左衛門は、何思ったか、反対の方へ五、六歩急いでお人好しの率八をうしろに見顧みかえ
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
休憩所をふらふらと出て、夢遊病者むゆうびょうしゃのように町から村を過ぎ、私の住居だった家なんか見顧みかえりもしないで、畑の畔つたいに彼女の部屋の方へ近寄っていったのです。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)