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あをそら
末男は
子供を
抱きながら、まち
子と一
所に
銀座の
明るい
飾窓の
前に
立つて、
星の
見える
蒼空に、すき
透るやうに
見える
柳の
葉を
見つめた。
いや
蒼空の
下へ
出た
時には、
何のことも
忘れて、
砕けろ、
微塵になれと
横なぐりに
体を
山路へ
打倒した。
岐阜では
未だ
蒼空が
見えたけれども、
後は
名にし
負ふ
北国空、
米原、
長浜は
薄曇、
幽に
日が
射して、
寒さが
身に
染みると
思つたが、
柳ヶ
瀬では
雨、
汽車の
窓が
暗くなるに
従ふて