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黄菊
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きぎく
件の
垣根を
差覗きて、をぢさん
居るか、と
聲を
懸ける。
黄菊を
活けたる
床の
間の
見透さるゝ
書齋に
聲あり、
居る/\と。
畳ざはりが素足の裏にさら/\と気持よく触れます。
黄菊などを買つて来て花器に
活けます。
其の前に供えた
三つ具足は此の頃納まったものか、まだ新しく
村名が
鏤り附けてあり、坊さんが畠から切って来たものか
黄菊に草花が
上って居ります、すると鼠の
単物を着
少女たち、
黄菊には九重のみけしきがある。
折々の
空の
瑠璃色は、
玲瓏たる
影と
成りて、
玉章の
手函の
裡、
櫛笥の
奧、
紅猪口の
底にも
宿る。
龍膽の
色爽ならん。
黄菊、
白菊咲出でぬ。
可懷きは
嫁菜の
花の
籬に
細き
姿ぞかし。
黄菊の
薫ともろともに
漏れ透いた。