騎兵きへい)” の例文
セレンジブ王は、いつも大きな象に乗っておいでになりますが、おそばには、金色の着物を着た千人の騎兵きへいが、つかえているのでございます。
がらがら鳴りつづける雷鳴らいめいの中に、ふと、ごうっというひどいひびきがした。一連隊れんたい騎兵きへいがあらしに追われてばらばらとかけてでも来るような音であった。
とたんに、戸があいたとおもうと、すぐ騎兵きへいがふたりはいって来て、いきなり、青ひげにむかって来ました。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ずうっとずうっと遠くで騎兵きへいの演習らしいパチパチパチパチ塩のはぜるような鉄砲てっぽうの音が聞えました。そらから青びかりがどくどくと野原に流れて来ました。
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
わたしはいつでもアフリカから、百万の黒ん坊の騎兵きへいと一しょに、あなた方の敵を征伐せいばつに行きます。
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それには、ひとっていて、下方かほうにたむろしている敵軍てきぐんのようすを偵察ていさつしていたのであります。すると、これを射落おとそうと、てき騎兵きへい軽気球けいききゅうがけて、発砲はっぽうしていました。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
一つはガアル・ド・リオンに、一つは東の停車場に、一つはサン・マルタンの商店をこわした。最早もはや巴里包囲は免れぬらしい。敵の騎兵きへいは八十キロメエトルの処まで来ている。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それは一様いちやう緋羅紗ひらしやのづぼんを穿いた二人ふたり騎兵きへいで——いたとき——莞爾につこりわらつて、両方りやうほうから左右さいうで、おうやうにわたし天窓あたまをなでゝ、そしてひきあつてだまつてさかをのぼつてつた
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
定州ていしゅう騎兵きへい衝突しょうとつ、軍事公債応募者の好況、わが艦隊の浦塩うらじお攻撃、旅順口外こうがいの激戦、臨時議会の開院、第二回閉塞運動、広瀬中佐の壮烈なる戦死、第一軍の出発につれて第二軍の編制
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
野原は今は練兵場れんぺいじょうあわはたけ苗圃なえばたけなどになってそれでも騎兵きへいの馬が光ったり、白いシャツの人がはたらいたり、汽車で通ってもなかなか奇麗きれいですけれども、前はまだまだ立派でした。
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ああ、騎兵きへいだ、騎兵だ。」だれかが南をいてさけびました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)