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雲翳
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うんえい
ふりがな文庫
“
雲翳
(
うんえい
)” の例文
何の
雲翳
(
うんえい
)
もなく、洋々たる前途の希望の光りに輝いていた居士は、これを嵐山清遊の時に見たのであったが、たとい病余の身であるにしても
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
春光嬉々として空に一点の
雲翳
(
うんえい
)
なき意外の好天気と相成、明け放したる窓の晴心地に、壁上のベクリンが
画幀
(
ぐわてい
)
も常よりはいと鮮やかに見られ候。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
個人としても国民としても自ら悪意や
猜疑心
(
さいぎしん
)
を以て暗雲を立て、東西の方角までも
朦朧
(
もうろう
)
たらしむるに代え、善意と友情によりて
碧空
(
ひきくう
)
一点の
雲翳
(
うんえい
)
を止めざる所まで昇るを要する。
東西相触れて
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「おつう
支度
(
したく
)
して
見
(
み
)
ろ、
俺
(
おれ
)
連
(
つ
)
れてんから」
勘次
(
かんじ
)
は
性急
(
せいきふ
)
におつぎを
促
(
うなが
)
し
立
(
た
)
てた。
大戸
(
おほど
)
の
鍵
(
かぎ
)
を
外
(
そと
)
から
掛
(
か
)
けて三
人
(
にん
)
が
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つた
時
(
とき
)
月
(
つき
)
は
雲翳
(
うんえい
)
を
遠
(
とほ
)
ざかつて
靜
(
しづ
)
かに
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
上
(
うへ
)
に
懸
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その相反する実にかくの如し。
而
(
しこう
)
してその相反するは、則ち相得る
所以
(
ゆえん
)
なるか。松陰曰く、「象山高く
突兀
(
とっこつ
)
たり、
雲翳
(
うんえい
)
仰ぐべきこと難し。
何
(
いず
)
れの日にか天風起り、快望せん
狻猊
(
さんげい
)
の
蟠
(
わだか
)
まるを」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
夕日がだんだん山の
端
(
は
)
に入るに従って珊瑚の色は薄らいで黄金色となり、
其色
(
それ
)
もまた
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
に薄らいで
白銀
(
しろがね
)
の色となったかと思いますと、
蒼空
(
あおぞら
)
は
拭
(
ぬぐ
)
うがごとく晴れ渡って一点の
雲翳
(
うんえい
)
をも止めず
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それ等は実に今日まで私の思い出を曇らせる
雲翳
(
うんえい
)
だったのです
橡の花
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
翳
漢検1級
部首:⽻
17画
“雲”で始まる語句
雲
雲雀
雲母
雲霞
雲泥
雲間
雲水
雲霧
雲井
雲切