“雲翳”の読み方と例文
読み方割合
うんえい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何の雲翳うんえいもなく、洋々たる前途の希望の光りに輝いていた居士は、これを嵐山清遊の時に見たのであったが、たとい病余の身であるにしても
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
春光嬉々として空に一点の雲翳うんえいなき意外の好天気と相成、明け放したる窓の晴心地に、壁上のベクリンが画幀ぐわていも常よりはいと鮮やかに見られ候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
個人としても国民としても自ら悪意や猜疑心さいぎしんを以て暗雲を立て、東西の方角までも朦朧もうろうたらしむるに代え、善意と友情によりて碧空ひきくう一点の雲翳うんえいを止めざる所まで昇るを要する。
東西相触れて (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)