ひま)” の例文
かかるひまにお花と源造に漢書の素読そどく、数学英語の初歩などを授けたが源因もととなり、ともかく、遊んでばかりいてはかえってよくない、少年こどもを集めて私塾しじゅくのようなものでも開いたら
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
なにとせんとかうてゝ、垣根かきねひまよりさしのぞけば、いましも雲足くもあしきれてあらたにらしいだつきひかりに、見合みあはしてたつたるひと何時いつ此所こゝへはて、いままでかくれてゞもしものか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ころは春のすえということは庭の桜がほとんど散り尽して、色褪いろあせた花弁はなびらこずえに残ってたのが、若葉のひまからホロ/\と一片ひとひら三片みひら落つるさまを今も判然はっきりおもいだすことが出来るので知れます。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)