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長手
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ながて
ふりがな文庫
“
長手
(
ながて
)” の例文
室
(
へや
)
の真中には
隅
(
すみ
)
の方に置いてあった机が出ていて、その上にさきの女が首ばかりになって白い
長手
(
ながて
)
な顔をこっちに向けてにっと笑っていた。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
入違
(
いれちが
)
つて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
たのは、
小倉
(
こくら
)
の
袴
(
はかま
)
を
胸高
(
むなだか
)
に
穿締
(
はきし
)
めまして、
黒木綿紋付
(
くろもめんもんつき
)
の
長手
(
ながて
)
の
羽織
(
はおり
)
を
着
(
ちやく
)
し、
垢膩染
(
あぶらじみ
)
たる
鳥打帽子
(
とりうちばうし
)
を
被
(
かぶ
)
り、
巻烟草
(
まきたばこ
)
を
咬
(
くは
)
へて
居
(
ゐ
)
ながら、書生
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長いことお三輪が大切にしていた
黒柿
(
くろがき
)
の
長手
(
ながて
)
の火鉢も、父の形見として残っていた古い
箪笥
(
たんす
)
もない。
食堂
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一〇八
窓
(
まど
)
の
紙
(
かみ
)
松風
(
まつかぜ
)
を
啜
(
すす
)
りて夜もすがら涼しきに、
一〇九
途
(
みち
)
の
長手
(
ながて
)
に
労
(
つか
)
れ
熟
(
うま
)
く
寝
(
い
)
ねたり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
真女児は、「我身
稚
(
おさなき
)
より、人おおき所、
或
(
あるい
)
は道の
長手
(
ながて
)
をあゆみては、必ず気のぼりてくるしき
病
(
やまい
)
あれば、
従駕
(
とも
)
にぞ
出立
(
いでた
)
ちはべらぬぞいと
憂
(
うれた
)
けれ」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
都の人も見ぬを
恨
(
うらみ
)
に聞え侍るを、我が身
稚
(
をさな
)
きより、人おほき所、
或
(
ある
)
は道の
長手
(
ながて
)
をあゆみては、必ず
二五五
気
(
け
)
のぼりてくるしき病あれば、
二五六
従駕
(
みとも
)
にえ出で立ち侍らぬぞいと
憂
(
うれた
)
けれ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
汚い二階の
室
(
へや
)
には公園から
伴
(
つ
)
れて来た女が淋しそうに坐っていた。
微暗
(
うすぐら
)
い電燈の光を受けた
長手
(
ながて
)
な色の白い顔にはおずおずした黒い眼があった。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
二十二三に見える
長手
(
ながて
)
な顔をした淋しそうな女で、白っぽい
単衣
(
ひとえもの
)
の上に
銘仙
(
めいせん
)
のような
縦縞
(
たてじま
)
の
羽織
(
はおり
)
を引っかけていた。
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長手
(
ながて
)
な重みのある、そしてどこか
艶
(
なまめ
)
かしいところのある顔を見せて、洋服の男の
背後
(
うしろ
)
の方から出ようとする
容
(
ふう
)
で、長い青っぽい
襟巻
(
えりまき
)
の襟を
掻
(
か
)
き合せていた。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
紫の目立つ
銘仙
(
めいせん
)
かなにかの
華美
(
はで
)
な模様のついた
衣服
(
きもの
)
で、小柄なその体を包んでいた。ちょっと小間使か女学生かと云うふうであった。色の白い
長手
(
ながて
)
な顔に黒い眼があった。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼の前には
蒼
(
あお
)
い
長手
(
ながて
)
な顔の紫色の唇をした
大柄
(
おおがら
)
な女の姿が浮んでいた。
白っぽい洋服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこには電燈の明るい洋館の二階があって、その窓から
長手
(
ながて
)
な顔の女が胸から上を見せていた。女の顔はにっと笑った。謙作はその女の顔に見覚えがあるようであったからじっと眼を
止
(
と
)
めて見た。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「……木村さん」女は
長手
(
ながて
)
な顔をあげて
透
(
すか
)
すようにして
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
若い
長手
(
ながて
)
な顔をした女であった。
狼の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“長手”で始まる語句
長手突
長手紙
長手袋