“黒柿”の読み方と例文
読み方割合
くろがき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
広栄は次のへやで計算していた。黒柿くろがきの机に向って預金の通帳のような帳面を見い見い、玩具おもちゃのような算盤そろばんの玉をいじっていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
庸三は床の黒柿くろがきかまちまくらにしてしばらく頭を休めていたが、するうち葉子と瑠美子との次ぎの間の話し声を夢幻に聞きながらうとうと眠ってしまった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
次郎は、腰にさした扇をぬいて、その黒柿くろがきの骨を、一つずつ指で送ったり、もどしたりしながら、兄と自分との関係を、それからそれへ、思い出した。——
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)