里見弴さとみとん)” の例文
この外にもまだ、島崎藤村しまざきとうそん里見弴さとみとん谷崎潤一郎たにざきじゆんいちらう加能作次郎かのうさくじらう佐藤俊子さとうとしことうの如き幾多の作家があつて、本来選に入るべきであるけれども
日本小説の支那訳 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
森田草平もりたそうへい氏の四十八人目と云うのや、谷崎潤一郎たにざきじゅんいちろう氏のまんじ、川端康成氏の温泉宿、野上弥生子のがみやえこ氏の燃ゆる薔薇、里見弴さとみとん氏の大地、岩藤雪夫いわとうゆきお氏の闘いをぐもの、この七篇の華々しい小説が
文学的自叙伝 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いつたいだれでも運勢うんせいかたむいてくると、自然しぜんとじたばたしすのは人情にんじやうしからしむるところだが、五だん里見弴さとみとん紙入かみいれからお守札まもりふだならす、四だん古川緑波ふるかはりよくははシガアレツト・ライタアでをする。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
里見弴さとみとんさんが、まだ本家ほんけ有島ありしまさんになすつた、お知己ちかづきはじめころであつた。なにかの次手ついでに、此話このはなしをすると、にはいけにはいくらでもいてる。……そんなにきなら、ふんづかまへてげませう。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちかごろの里見弴さとみとんの顔をもう少しばかりしけさせて苦痛と頽廃たいはいの薬味を加えればいいかもしれない。彫の深い、眼のぎろりとした、とにかくただものでない顔なんだ。……君も東京の落人か、ふん。
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
里見弴さとみとん君などは皮造りの刺身さしみにしたらば、きつと、うまいのに違ひない。菊池きくち君も、あの鼻などを椎茸しひたけ一緒いつしよてくへば、あぶらぎつてゐて、うまいだらう。
食物として (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕が講演旅行へ出かけたのは今度里見弴さとみとん君と北海道へ行つたのが始めてだ。入場料をとらない聴衆は自然雑駁ざつぱくになりがちだから、それだけでも可也かなりしやべりにくい。
講演軍記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
新潮二月号所載藤森淳三ふじもりじゆんざう氏の文(宇野浩二うのかうじ氏の作と人とに関する)によれば、宇野氏は当初軽蔑してゐた里見弴さとみとん氏や芥川龍之介あくたがはりゆうのすけに、色目いろめを使ふやうになつたさうである。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けれどもあたしたちの代弁者だいべんしゃうそのように一人もいないじゃないの? 倉田百三くらたひゃくぞう菊池寛きくちかん久米正雄くめまさお武者小路実篤むしゃのこうじさねあつ里見弴さとみとん佐藤春夫さとうはるお吉田絃二郎よしだげんじろう野上弥生のがみやよい、——一人残らず盲目めくらなのよ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かつ又この批評家の亜流も少くないように聞き及びました。その為に一言広告します。尤もこれを公にするのはわたくしの発意ではありません。実は先輩里見弴さとみとん君の煽動せんどうによった結果であります。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)