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郷
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くに
ふりがな文庫
“
郷
(
くに
)” の例文
小野さんは隧道を出るや否や、すぐ自転車に乗って
馳
(
か
)
け出そうとする。魚は
淵
(
ふち
)
に
躍
(
おど
)
る、
鳶
(
とび
)
は空に舞う。小野さんは詩の
郷
(
くに
)
に住む人である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてこの
恍惚
(
こうこつ
)
たる場面は、わたしが今そこへ向って急いで出かけようとしているあの真の夢の
郷
(
くに
)
のもっと奔放な光景に、わたしを適応させているのだ
しめしあわせ
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
わが父はさびしきひと、富み富みて失ひしひと、傲りかに育ちふるまひ、五十路過ぎよ、
郷
(
くに
)
を離れて、年老ゆと、心弱ると、すべなみと子らに
頼
(
よ
)
らしぬ。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
たまに早仕舞いをしたときは銭湯へ行ってゆっくり手足を伸ばしてくるか、隣家の紺屋へ遊びに行って同じ
郷
(
くに
)
生れの婆様から
昔話
(
ムカシコ
)
をきくのが、このうえない安楽だった。
鴻ノ巣女房
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
何しろ米の出來る
郷
(
くに
)
にゐる
田舎者
(
ゐなかもの
)
が、
米
(
こめ
)
の出來ない東京へ來て
美味
(
うま
)
い
飯
(
めし
)
に
有
(
あり
)
付かうとするんだから
耐
(
たま
)
らん………だから東京には
塵芥
(
ごみ
)
が多い。要するに東京は人間の
掃溜
(
はきだめ
)
よ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
見知らぬ
郷
(
くに
)
の
音信
(
おとづれ
)
の様に、北上川の
水瀬
(
みなせ
)
の音が、そのシツトリとした空気を顫はせる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「日本というものは、私に取っては空想の
郷
(
くに
)
でしたからね」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「来年のお正月には二人で揃つて
郷
(
くに
)
へ帰らうね。」
やぶ入の前夜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
郷
(
くに
)
へ帰ったという気持がした。
日本婦道記:糸車
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
黄泉
(
よみ
)
の
郷
(
くに
)
では
ヂェラルド・ド・ネルヴァル
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
わが父はさびしきひと、富み富みて失ひしひと、傲りかに育ちふるまひ、五十路過ぎよ、
郷
(
くに
)
を離れて、年老ゆと、心弱ると、すべなみと子らに
頼
(
よ
)
らしぬ。
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
想界に
一瀾
(
いちらん
)
を点ずれば、千瀾追うて至る。
瀾々
(
らんらん
)
相擁
(
あいよう
)
して思索の
郷
(
くに
)
に、吾を忘るるとき、
懊悩
(
おうのう
)
の
頭
(
こうべ
)
を上げて、この眼にはたりと
逢
(
あ
)
えば、あっ、
在
(
あ
)
ったなと思う。ある時はおやいたかと驚ろく事さえある。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「日本というものは自分に取っては空想の
郷
(
くに
)
でしたからね」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“郷”の意味
《名詞》
(ゴウ)律令制下の地方行政組織の一つで、郡の下位に属するもの。
(ゴウ)さと。故郷。
(出典:Wiktionary)
“郷”の解説
郷(ごう、きょう、さと)とは田舎または里を意味し、地方行政の単位(村の集合体)である。
(出典:Wikipedia)
郷
常用漢字
小6
部首:⾢
11画
“郷”を含む語句
故郷
郷愁
郷里
郷土
帰郷
郷士
近郷
他郷
古郷
郷人
俵藤太秀郷
思郷病
上郷
本郷
在郷
同郷
異郷
家郷
同郷人
郷村
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