トップ
>
遺漏
>
いろう
ふりがな文庫
“
遺漏
(
いろう
)” の例文
遺憾
(
いかん
)
ながらこのたびも、遂に、弦之丞を討ち洩らしたが、次の機会には、必ずこの
遺漏
(
いろう
)
の不名誉をすすぎまする、という申しわけだ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
減らし色々の点で節約したけれども彼女の
慰安
(
いあん
)
には何一つ
遺漏
(
いろう
)
のないようにした
故
(
ゆえ
)
に盲目になってからの彼の労苦は以前に倍加した。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
普通の目かくしでは、外から見て疑われる心配があるので、繃帯を使って怪我人と見せかけるのであろう。実に万
遺漏
(
いろう
)
なき
遣
(
や
)
り
口
(
くち
)
である。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
現在既知の科学的知識を少しの
遺漏
(
いろう
)
もなく
知悉
(
ちしつ
)
するという事が実際に言葉通りに可能であるかどうか。おそらくこれは
六
(
むつ
)
かしい事であろう。
科学上における権威の価値と弊害
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
打候聴候
(
だこうちょうこう
)
は察病にもっとも大切なるものなれども、医師の聴機
穎敏
(
えいびん
)
ならずして必ず
遺漏
(
いろう
)
あるべきなれば、この法を研究するには、盲人の音学に
精
(
くわ
)
しき者を撰びて
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
左
(
さ
)
れば先生の
考
(
かんがえ
)
にては、新聞紙上に掲載を終りたる後、
更
(
さ
)
らに
自
(
みず
)
から筆を
執
(
とり
)
てその
遺漏
(
いろう
)
を補い、又後人の参考の
為
(
た
)
めにとて、幕政の当時親しく見聞したる事実に
拠
(
よ
)
り
福翁自伝:01 〔慶應義塾の社中にては〕
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
万事は当局の調査によって判明する事と思うが、とにもかくにもかような怪事件が校内に於て発生した以上、校内の取締に就いて何処かに
遺漏
(
いろう
)
が
在
(
あ
)
ったものと考えなければならぬ。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
時々これを見ながら進行すれば順序もよく整い
遺漏
(
いろう
)
も少なく、大変都合が好いのですけれども、そんな
手温
(
てぬる
)
い事をしていてはとても諸君がおとなしく聴いていて下さるまいと思うから
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此一句他日幕府よりの謝表中ニ万一
遺漏
(
いろう
)
有
レ
之
歟
(
か
)
、或ハ此一句之前後を交錯し、政刑を帰還するの実行を阻障せしむるか、従来上件ハ鎌倉已来武門ニ帰せる大権を解かしむる之重事なれバ
手紙:112 慶応三年十月十三日 後藤象二郎あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
将来の
方略
(
ほうりゃく
)
をおうかがいして、秀吉征伐の大計に、
遺漏
(
いろう
)
なきお打ち合わせもいたしおきたく、かたがた、御健勝ぶりをも拝しに参りました。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて、準備は
遺漏
(
いろう
)
なくととのった。もう決行の日を
極
(
き
)
めるばかりである。それについても、彼は確かな目算があった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
左
(
さ
)
れば先生の
考
(
かんがえ
)
にては、新聞紙上に掲載を終りたる後、
更
(
さ
)
らに
自
(
みず
)
から筆を
執
(
とり
)
てその
遺漏
(
いろう
)
を補い、又後人の参考の
為
(
た
)
めにとて、幕政の当時親しく見聞したる事実に
拠
(
よ
)
り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「二十八日の
通牒
(
つうちょう
)
は、もう、おのおののお手許へも、届いたことと思うが、当日の式事については、諸事、ご
遺漏
(
いろう
)
のないように頼みますぞ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで、
愈々
(
いよいよ
)
復讐事業に着手したのだ。俺は自信があった。計画は少しの
遺漏
(
いろう
)
もなく運ばれることと信じていた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
街亭の布陣には、その現地へ臨む前から、
篤
(
とく
)
と丞相のお指図もありましたゆえ、それがしとしては、
万
(
ばん
)
遺漏
(
いろう
)
なきことを期したつもりであります。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その間に波越警部は、あらん限りの智恵をしぼって、
万
(
ばん
)
遺漏
(
いろう
)
なく警戒準備をととのえた。無論大使邸にも度々足を運んで、大使にも面会し、建物の構造をも取調べた。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
或る日を目がけての綿密な工作と、その場合に
遺漏
(
いろう
)
のない準備とが、江戸表へ潜伏した赤穂旧藩士たちの隠れ
家
(
が
)
に於て、目に見えない程ずつ徐々に進んでいた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「む、両探題も加えて、作戦には、
遺漏
(
いろう
)
なきを期したい。足利どのも、明日は同道されよ」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
留守のかため、市街の戦備も、
遺漏
(
いろう
)
なく手配した。また前に蜂須賀勢、黒田勢などを助けにやってある各出先へ、指揮、激励を送って、その状況を聞いた。そしてまず一安心と見たか
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なお、出来るだけ味方を狩りあつめ、夜明け前に、大岳へゆく途中の
小猿沢
(
こざるさわ
)
の谷川橋で——われわれを待ち合す手筈になっているから、万々、これで
遺漏
(
いろう
)
はあるまいと、
宍戸梅軒
(
ししどばいけん
)
はいうのだった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
遺漏
(
いろう
)
はあるまいが、ぬかるなと、書中、申し添えてやれよ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや鎌倉どのの代官として
遺漏
(
いろう
)
のないよう万全を尽した。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はて、なにか
遺漏
(
いろう
)
があったとでも、仰せられますか」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
遺漏
(
いろう
)
はございませぬ」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
遺漏
(
いろう
)
はないな」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“遺漏”の意味
《名詞》
遺 漏(いろう)
仕事や作業などでその内容に漏れや落ちがあること。
(出典:Wiktionary)
遺
常用漢字
小6
部首:⾡
15画
漏
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“遺”で始まる語句
遺
遺憾
遺骸
遺書
遺物
遺言
遺恨
遺品
遺跡
遺児