追出おひだ)” の例文
一處いつしよになつて走廻はしりまわつてうちに、いつかなかがよくなつて、夕刻ゆふこくいへかへつたときも、稻妻いなづまこの可憐かれんなる少年せうねんたわむれつゝ、おもはず二階にかいまで驅上かけあがつて、武村兵曹たけむらへいそうほうき追出おひだされたほど
委細くはしく申せと言ければ傳吉はこゝに於て是非ぜひなく申立る叔母儀は私の母のいもとにて家の相續さうぞくいたせし所むこを三人まで追出おひだし淺治郎と申男の病死びやうし後又善九郎と申者と欠落かけおちし行衞知れざりしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扇子せんす手套てぶくろとを見付みつけないさき戸外おもて追出おひだされやしないかと氣遣きづかひながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
自分は何故なぜあの時あのやうな心にもない意見をして長吉ちやうきちの望みをさまたげたのかと後悔こうくわいの念にめられた。蘿月らげつはもう一度思ふともなく、女に迷つて親のいへ追出おひだされた若い時分じぶんの事を囘想くわいさうした。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ぢきさま追出おひだしてうちへはれてらないや。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)