近邊きんぺん)” の例文
新字:近辺
ゆかより引下しこぶしを上てすでうたんとなす此時近邊きんぺんの者先刻よりの聲高こゑだかを聞付何ことやらんと來りしが此體このていを見て周章あわて捕押とりおさへ種々靱負を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殊にいつもこの事に馴れきつて居る酒屋の番頭の金切聲といふものは殆んど近邊きんぺん三四軒の家までも聞え渡らうかと思はれる位ゐで
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
あの新治にひばり近邊きんぺん筑波つくばをとほりぎて、今夜こんや幾晩いくばんたとおもふ、といはれたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ほんついたを三せんならばと直切ねぎつてく、はぬばたまやみもうけはこのほかにもるべし、信如しんによかることどもいかにもこゝろぐるしく、よし檀家だんかみゝにはらずとも近邊きんぺん人々/″\おもはく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
以手紙てがみをもつて申上候貴兄きけい彌々いよ/\安全あんぜん醫業いげふ被成なされ目出度めでたくぞんじ奉つり候然れば此方このはう八年まへ近邊きんぺんよりの出火しゆつくわにて家財道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
進めされば秀盛先生はこの近邊きんぺんにも御弟子これ有よしにて時々御指南に御出おいでなされて滯留たうりうせつ毎度まいど私方わたくしがたにて御宿おやどを申上夫ゆゑ大先生の御咄おはなしに貴方樣の御噂おうはさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)