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躍上
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をどりあが
私は
何氣なく
倚子より
離れて、
檣樓に、
露砲塔に、
戰鬪樓に、
士官水兵の
活動目醒ましき
甲板を
眺めたが、
忽ち
電氣に
打たれし
如く
躍上つたよ。
と
赫と
成ると、
躍上つて、
黒髮を
引掴むと、
雪なす
膚を
泥の
上へ
引倒して、ずる/\と
内へ
引込む。
其の
犬どもの、
耳には
火を
立て、
牙には
火を
齒み、
焔を
吹き、
黒煙を
尾に
倦いて、
車とも
言はず、
人とも
言はず、
炎に
搦んで、
躍上り、
飛蒐り、
狂立つて
地獄の
形相を
顯したであらう