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蹲
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かが
ふりがな文庫
“
蹲
(
かが
)” の例文
それでまた屁ッぴり腰をして樽の上に
蹲
(
かが
)
み、そして車からふりおとされないために顔を真赤にして一生懸命荷物台に
獅噛
(
しが
)
みついた。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
反絵
(
はんえ
)
は閉された
卑弥呼
(
ひみこ
)
の部屋の前に、番犬のように
蹲
(
かが
)
んでいた。前方の広場では、
兵士
(
つわもの
)
たちが歌いながら鹿の毛皮を
剥
(
は
)
いでいた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
父親は腕を伸ばし棒を廻しながら舞い、息子は地に
蹲
(
かが
)
まり、其の
儘
(
まま
)
何ともいえない
恰好
(
かっこう
)
で飛び跳ね、此の踊の画く円は次第に大きくなって行った。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
寺まうで墓まうでびと、たまさかに
蹲
(
かが
)
み通れど、誰ひとり振りは仰がず、誰ひとり眼にもとめねば、ただ
二木
(
ふたき
)
立てるのみなる、榧と栗さびるのみなる。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
作法が終ると、老主人は
袴
(
はかま
)
を
除
(
と
)
って、厚い綿入羽織を着て現われた。炉に
噛
(
かじ
)
りつくように
蹲
(
かが
)
み、私たちにも近寄ることを勧めた。そして問わず語りにこんな話を始めた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
杉本は
蹲
(
かが
)
んで子供の三尺をしっかり結んでやる。お前は教室に行ってよしと言って、その部屋から外へ出してやった。それから大人たちの好奇心を満たさねばならなかった。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
けれど、彼女は
舳先
(
へさき
)
の方に
蹲
(
かが
)
んだまま、ただその
円
(
つぶ
)
らな
瞳
(
め
)
を二三度瞬いたきりである。
植物人間
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
そんな時の私達は、きっと、
襟
(
えり
)
をかき合わせ、眉を寄せて
寒空
(
さむぞら
)
を見上げているに相違ありません。庭の捨て石や
蹲
(
かが
)
み
石
(
いし
)
のもとに植えられた福寿草は、よく自然の趣を見せてくれます。
季節の植物帳
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
というのは、この寮監先生、実は時折、手の甲のことで
強情
(
すね
)
たりする生徒を、ぴしゃり! とやる罪のない癖があるのだ。そこで、来るなと思ったら、時を測って、ぴょこりと
蹲
(
かが
)
む。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
蟇口
(
がまぐち
)
から三十銭出すと、手に握って持った。歩きながら、ワザと口笛をふいた。そしたら女は顔を出す、と思った。前まで来たが、出てこなかった。龍介は往来でちょっと
蹲
(
かが
)
んで中をのぞいてみた。
雪の夜
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
正三は純子の眼を外らしながら、縁先に
蹲
(
かが
)
んで一政を見た。
豹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
母は前へ
蹲
(
かが
)
むようにして「重たいがな、これ、針でつくえ。」肩の子を見向きながらいった。子は再び静になった。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
寺まうで墓まうでびと、たまさかに
蹲
(
かが
)
み通れど、誰ひとり振りは仰がず、誰ひとり眼にもとめねば、ただ
二木
(
ふたき
)
立てるのみなる、榧と栗さびるのみなる。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
はて、らんかんの下にでも
蹲
(
かが
)
んでるかと、あの長え橋を三べんとこ往復しやした。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
反絵は卑弥呼の傍へ
蹲
(
かが
)
むと、荒い呼吸を彼女の顔に吐きかけて、彼女の腰と肩とに手をかけた。しかし、卑弥呼は黙然として反耶の死体を眺めていた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
紅葉を焚いて、ふすふすと白うくすぼる煙のかげで、
温
(
あつた
)
かいぞと私が
蹲
(
かが
)
めば、妻も
双手
(
もろて
)
をかざして蹲む。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
長羅は剣の
尖
(
さき
)
で鹿の角を跳ねのけると、卑弥呼を見詰めたまま、飛びかかる虎のように
小腰
(
こごし
)
を
蹲
(
かが
)
めて忍び寄った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
だが、私たちはまた道端のやや
高畦
(
たかあぜ
)
の斜面へぽつぽつと凭りかかったり、
蹲
(
かが
)
んだりした。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
二人もどうやら落ちついて来た。紅葉でも焚いて見ようかと、私が云へば、妻も素直に、焚いて見ませう、寂しいからと庭に下り立つ。竹の箒で私が掃けば、
蹲
(
かが
)
んで妻が拾ひ集める。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
このピアノ
中古
(
ちゆうぶる
)
ぞとよ。塗りみがき、うつくし黒し、大きなり
室
(
しつ
)
にそびやぐ。かうがうしこのピアノ、立ち添ひて、
蹲
(
かが
)
み見て、蓋をひらき、鍵たたき見て、見も飽かず
終日
(
ひねもす
)
ありける。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
このピアノ
中古
(
ちゆうぶる
)
ぞとよ。塗りみがき、うつくし黒し、大きなり
室
(
しつ
)
にそびやぐ。かうがうしこのピアノ、立ち添ひて、
蹲
(
かが
)
み見て、蓋をひらき、鍵たたき見て、見も飽かず
終日
(
ひねもす
)
ありける。
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
爪立
(
つまだ
)
ち、
蹲
(
かが
)
んでくるりとやるかと思うと、ひょくりと
後足
(
あとあし
)
で
跛
(
びっこ
)
をひく。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
蹲
(
かが
)
んで庄亮が構えた、その巨大な茎の中ほどを握って。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
蹲
(
かが
)
みて
嗅
(
か
)
ぐはなにごとか
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“蹲(つくばい)”の解説
つくばい(蹲踞、蹲)とは、日本庭園の添景物の一つで露地(茶庭)に設置される。茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。
(出典:Wikipedia)
蹲
漢検1級
部首:⾜
19画
“蹲”を含む語句
蹲踞
蹲居
蹲跼
蹲螭
落蹲
犬蹲
掻蹲
蹲石
蹲裾
蹲跪
蹲踞込
蹲躅
蹲込