藥舖くすりや)” の例文
新字:薬舗
醫者いしや鉛筆えんぴつ手帖ててふはし一寸ちよつときつけて、それではすぐこれ藥舖くすりやつてるのだといつた。それから自分じぶんうちこれせばわたしてれるものがあるからとこれ手帖ててふはしいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじまたかはえてはしつた。藥舖くすりやではびんれたくすり二包ふたつゝみわたしてれた。一罎ひとびんが七十五せんづゝだといはれて、勘次かんじふところきふにげつそりとつた心持こゝろもちがした。かれ蜻蛉返とんぼがへりにかへつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
醫者いしやさら勘次かんじ藥舖くすりやはしらせた。勘次かんじたゞ醫者いしやのいふがまゝいきせきつてけてあるあひだが、屹度きつとどうにかふせぎをつけてくれるだらうとのたのみもあるのでわづか自分じぶんこゝろなぐさゆゐ一の機會きくわいであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)