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藥局
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やくきよく
『
例へば
隅の
別室を
藥局に
當てやうと
云ふには、
私の
考では、
極く
少額に
見積つても五百
圓は
入りませう、
然し
餘り
不生産的な
費用です。』
歸りがけに
玄關脇の
藥局で、
粉藥の
儘含嗽劑を
受取つて、それを百
倍の
微温湯に
溶解して、一
日十
數回使用すべき
注意を
受けた
時、
宗助は
會計の
請求した
治療代の
案外廉なのを
喜んだ。
罌粟色の
薔薇の花、
藥局の花、あやしい
媚藥を呑んだ時の夢心地、
贋の
方士が
被る
頭巾のやうな
薄紅い花、
罌粟色の
薔薇の花、馬鹿者どもの手がおまへの
下衣の
襞に
觸つて
顫へることもある
あ、エウゲニイ、フエオドロヰチの
有仰るには、
本院の
藥局が
狹隘ので、
之を
別室の一つに
移轉しては
奈何かと
云ふのです。