“葬(はふむ)” の例文
私(わたし)は自分(じぶん)の不安(ふあん)と苦痛(くつう)を訴(うつた)へたが、其(それ)も効(かひ)はなく、此(この)まゝ秘密(ひみつ)にしてくれと云(い)ふ妻(つま)の哀願(あいぐわん)を容(い)れて、此事(このこと)は一時(じ)其(その)まゝに葬(はふむ)ることにした。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
或意味からいふと葬(はふむ)られてゐるやうなものなんだからね。何しろ此の家(うち)の淋しいことは何(ど)うだ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
はれ、無慚(むざん)な! こゝに若殿(わかとの)が殺(ころ)されてござる、のみならず、既(も)う二日(ふつか)も葬(はふむ)られてござったヂュリエットどのが、つい今(いま)がた死(し)なっしゃれたやうに血(ち)を流(なが)して、温(ぬく)いまゝで。
カピ長 婚儀(こんぎ)の爲(ため)にと準備(ようい)した一切(さい)が役目(やくめ)を變(か)へて葬儀(さうぎ)の用(よう)。祝(いは)ひの樂(がく)は哀(かな)しい鐘(かね)の音(ね)、めでたい盛宴(ちさう)が法事(ほふじ)の饗應(もてなし)、樂(たの)しい頌歌(しょうか)は哀(あは)れな挽歌(ばんか)、新床(にひどこ)に撒(ま)く花(はな)は葬(はふむ)る死骸(なきがら)の用(よう)に立(た)つ。