トップ
>
若干
>
なにがし
ふりがな文庫
“
若干
(
なにがし
)” の例文
こう云いながら
若干
(
なにがし
)
かのお金を、おきたの前へ差し出して、自分の方が嬉しそうに、三十郎が笑ったのは、数日後のことであった。
一枚絵の女
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かぞえてみると、ひどいもので、七十四両と
若干
(
なにがし
)
になっていた。そして、袋のうえには、なるほど、武家奉公もしたらしい見事な書体で
下頭橋由来
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
理窟はなしにとぼけていて飛んだ可いが、いや、大人気もなくその尻馬に乗って、利のつく金を
若干
(
なにがし
)
と痛んだ、この遠山先生も悪くはあるまい
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ガラッ八は自分の懐みたいな顔をして、
鷹揚
(
おうよう
)
に勘定をすると、
若干
(
なにがし
)
か心付けを置いて、さて
妻楊枝
(
つまようじ
)
を取上げました。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
養女をば
若干
(
なにがし
)
の
財産
(
かね
)
を付けて実家へ返へして仕舞つた。
家
(
うち
)
は親父の病気を頼みきりにした医師への礼にやつて仕舞つた。かくて翁は全く家を外の人になり終つた。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
その十銭を娘は意地悪の職人に渡したが、それからは娘は毎日屹度
若干
(
なにがし
)
づゝの無心を言ふ事になつた。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
流石
(
さすが
)
に今でも文壇に
昔馴染
(
むかしなじみ
)
が無いでもない。恥を忍んで泣付いて行ったら、随分一肩入れて、原稿を何処かの本屋へ
嫁
(
かたづ
)
けて、
若干
(
なにがし
)
かに仕て呉れる人が無いとは限らぬ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そのくせ月々
若干
(
なにがし
)
か
貢
(
みつ
)
いで
遣
(
や
)
ってくれる訳には行くまいかという相談をすぐその後から持ち出した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同時にまたあの事件を
何人
(
なんびと
)
の利益のために、
何人
(
なんびと
)
に依頼されて実行したかをあばくことの出来る人間であるということを、現在
巴里
(
パリー
)
に時めく
若干
(
なにがし
)
かの
紳士
(
ジェントルマン
)
等に思い知らせるためである。
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
況
(
ま
)
して其れで
若干
(
なにがし
)
かの報酬を
得
(
う
)
ると云ふ事は
殆
(
ほとん
)
ど不可能である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ガラツ八は自分の
懷
(
ふところ
)
見たいな顏をして、
鷹揚
(
おうやう
)
に勘定をすると、
若干
(
なにがし
)
か心付けを置いて、さて
妻楊枝
(
つまやうじ
)
を取上げました。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
書掛けた小説を書上げて
若干
(
なにがし
)
かの原稿料を受取ったから、
明日
(
あす
)
は早速送金しようと思っていた晩に、お糸さんが
切
(
しき
)
りに
新富座
(
しんとみざ
)
の当り狂言の
噂
(
うわさ
)
をして観たそうな事を言う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「馬鹿あ言え。
畳算
(
たたみざん
)
より目の子算用を先に覚えようという今時の
芸妓
(
げいしゃ
)
に、
若干
(
なにがし
)
か自腹を切らせたなあ、大したもんだ、どれちょっと見せねえ、よ、ちょっと拝ませねえかよ。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
若干
(
なにがし
)
かを寄進したが、ふと壁に見える参詣者の寄進札のうちに、眼をみはった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高信
(
たかのぶ
)
さんが、
銀貨
(
ぎんくわ
)
を
若干
(
なにがし
)
、
先棒
(
さきばう
)
の
掌
(
てのひら
)
へポンと
握
(
にぎ
)
らせると、にこりと
額
(
ひたい
)
をうつむけた
処
(
ところ
)
を
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
若干
(
なにがし
)
かの
金子
(
きんす
)
まで、嘉兵衛は能八郎の手から、日吉へ授けて、いうのであった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と見ると
金子
(
きんす
)
五千疋、明治の相場で拾円
若干
(
なにがし
)
を、
故
(
わざ
)
と古風に書いてある。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小次郎は、巾着の中から、
若干
(
なにがし
)
かの金をつまみ出して馬上から
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若干
(
なにがし
)
かお鳥目をはずんで、小宮山は
紺飛白
(
こんがすり
)
の
単衣
(
ひとえ
)
、
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵児帯
(
へこおび
)
、
麦藁
(
むぎわら
)
帽子、
脚絆
(
きゃはん
)
、
草鞋
(
わらじ
)
という
扮装
(
いでたち
)
、荷物を振分にして肩に掛け、既に片影が出来ておりますから、
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
は畳んで
提
(
ひっさ
)
げながら
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
常用漢字
小6
部首:⾋
8画
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
“若干”で始まる語句
若干金
若干里
若干銭
若干個
若干宛
若干日
若干錢