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苛
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つら
ふりがな文庫
“
苛
(
つら
)” の例文
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
の
活計
(
くらし
)
は
苦
(
くる
)
しい
苛
(
つら
)
い
月
(
つき
)
ばかり
續
(
つゞ
)
いてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
流産
(
りうざん
)
した
御米
(
およね
)
の
蒼
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
も
必竟
(
つまり
)
は
世帶
(
しよたい
)
の
苦勞
(
くらう
)
から
起
(
おこ
)
るんだと
判
(
はん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時分の夫婦の
活計
(
くらし
)
は苦しい
苛
(
つら
)
い月ばかり続いていた。宗助は流産した御米の
蒼
(
あお
)
い顔を眺めて、これも
必竟
(
つまり
)
は世帯の苦労から起るんだと判じた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その上兄の精神状態をそこに導いた原因として、どうしても自分が責任者と目指されているという事実を、なおさら
苛
(
つら
)
く感じなければならなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時
(
このとき
)
の
宗助
(
そうすけ
)
に
取
(
と
)
つて、
醫者
(
いしや
)
の
來
(
く
)
るのを
今
(
いま
)
か
今
(
いま
)
かと
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
ける
心
(
こゝろ
)
ほど
苛
(
つら
)
いものはなかつた。
彼
(
かれ
)
は
御米
(
およね
)
の
肩
(
かた
)
を
揉
(
も
)
みながらも、
絶
(
た
)
えず
表
(
おもて
)
の
物音
(
ものおと
)
に
氣
(
き
)
を
配
(
くば
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この時の宗助に取って、医者の来るのを今か今かと待ち受ける心ほど
苛
(
つら
)
いものはなかった。彼は御米の肩を揉みながらも、絶えず表の物音に気を配った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
仕舞
(
しまひ
)
には
我慢
(
がまん
)
して
横
(
よこ
)
になつてゐるのが、
如何
(
いか
)
にも
苛
(
つら
)
かつたので、
看護婦
(
かんごふ
)
の
歸
(
かへ
)
つた
明
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
に、こつそり
起
(
お
)
きてぶら/\して
見
(
み
)
たが、それでも
心
(
こゝろ
)
に
逼
(
せま
)
る
不安
(
ふあん
)
は、
容易
(
ようい
)
に
紛
(
まぎ
)
らせなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しまいには我慢して横になっているのが、いかにも
苛
(
つら
)
かったので、看護婦の帰った
明
(
あく
)
る日に、こっそり起きてぶらぶらして見たが、それでも心に
逼
(
せま
)
る不安は、容易に
紛
(
まぎ
)
らせなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それも句作に熱心で
壁柱
(
かべはしら
)
へでも書き散らしかねぬ時代ならとにかく、書く材料の
払底
(
ふってい
)
になった今頃、何か記念のためにと、
短冊
(
たんじゃく
)
でも出された日には、
節季
(
せっき
)
に無心を申し込まれるよりも
苛
(
つら
)
い。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
苛
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“苛”を含む語句
苛責
苛酷
苛立
苛々
苛辣
苛斂誅求
苛苛
苛虐
苛斂
小苛
苛烈
苛税
苛政
苛刻
手苛
苛察
苛立勝
暴歛苛法
辛辣苛酷
責苛
...