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艦中
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かんちう
それより、
私と
武村兵曹とは、
艦中の
一同から
筆にも
言にも
盡されぬ
優待を
受けて、
印度洋の
波濤を
蹴つて、コロンボの
港へと
進んで
行く。
いつも
滑※と
失策との
本家本元で——
今は
私の
傍に、
威勢よく
話の
相槌を
打つて
居る
武村兵曹は、
幾度か
軍艦日の
出の
水兵等に、
背中叩かれ、
手を
叩かれて、
艦中第一の
愛敬者とはなつた。
艦中の
一同はヒタと
鳴を
靜めたのである。
只見る
本艦を
去る
事三海里餘、
橄欖島と
覺しき
島の
北方に
當つて、
毒龍蟠るが
如き
二個の
島嶼がある。
其島陰から
忽然として
一點の
光がピカリツ。