艦中かんちう)” の例文
それより、わたくし武村兵曹たけむらへいそうとは、艦中かんちう一同いちどうからふでにもことばにもつくされぬ優待いうたいけて、印度洋インドやう波濤はたうつて、コロンボのみなとへとすゝんでく。
いつも滑※こつけい失策しつさくとの本家本元ほんけほんもとで——いまわたくしそばに、威勢ゐせいよくはなし相槌あひづちつて武村兵曹たけむらへいそうは、幾度いくたび軍艦ぐんかん水兵等すいへいらに、背中せなかたゝかれ、たゝかれて、艦中かんちう第一だいいち愛敬者あいけふものとはなつた。
艦中かんちう一同いちどうはヒタとなりしづめたのである。たゞ本艦ほんかんこと三海里さんかいり橄欖島かんらんたうおぼしきしま北方ほつぽうあたつて、毒龍どくりようわだかまるがごと二個にこ島嶼たうしよがある。その島陰しまかげから忽然こつぜんとして一點いつてんひかりがピカリツ。