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背面
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うしろ
ふりがな文庫
“
背面
(
うしろ
)” の例文
頬冠りしたる
彼
(
か
)
の馬十、鍬を
荷
(
かつ
)
ぎてわが居る方丈の
背面
(
うしろ
)
に来り、
彼
(
か
)
の梅の古木の根方を丸く輪形に耕して、豆のやうなる種子を蒔き居り。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
大層遅かったではないか、と云いつつ
背面
(
うしろ
)
へ廻って羽織を脱がせ、立ちながら
腮
(
あご
)
に手伝わせての袖畳み小早く
室隅
(
すみ
)
の方にそのままさし置き
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
森の中から
背面
(
うしろ
)
の
大畠
(
おおばたけ
)
が抜けられますと道は近うございますけれども、空地でもそれが出来ませんので、これから、ずっと
煙硝庫
(
えんしょうぐら
)
の黒塀について、
上
(
のぼ
)
ったり、
下
(
くだ
)
ったり
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
むかし
思
(
おも
)
へば
忍
(
しのぶ
)
が
岡
(
おか
)
の
名
(
な
)
も
悲
(
かな
)
しき
上野
(
うへの
)
の
背面
(
うしろ
)
谷中
(
や か
)
のさとに
形
(
かた
)
ばかりの
枝折門
(
しをりもん
)
、
春
(
はる
)
は
立
(
たち
)
どまりて
御覽
(
ごらん
)
ぜよ、
片枝
(
かたえ
)
さし
出
(
だ
)
す
垣
(
かき
)
ごしの
紅梅
(
こうばい
)
の
色
(
いろ
)
ゆかしと
延
(
の
)
びあがれど、
見
(
み
)
ゆるは
萱
(
かや
)
ぶきの
軒端
(
のきば
)
ばかり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その手前の横丁の角が
鰌屋
(
どじょうや
)
(これは今もある)。鰌屋横丁を真直に行けば
森下
(
もりした
)
へ出る。右へ移ると
薪炭
(
しんたん
)
問屋の
丁子屋
(
ちょうじや
)
、その
背面
(
うしろ
)
が材木町の出はずれになっていて、この通りに
前川
(
まえかわ
)
という鰻屋がある。
幕末維新懐古談:12 名高かった店などの印象
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
彼はこの隙にジルベールを
伴
(
つ
)
れて湖水の岸まで逃げようかと思った。しかし逃げたとしても
背面
(
うしろ
)
からあびせられる敵の砲火にどうして湖水を渡れよう?とそう思うと、彼はつと戸を閉じて
閂
(
かんぬき
)
を下した。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
心配を輪に吹き/\吸て居し
煙草管
(
きせる
)
を邪見至極に抛り出して忙はしく立迎へ、大層遅かつたではないか、と云ひつゝ
背面
(
うしろ
)
へ廻つて羽織を脱せ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は課業の休みの時間になりますと、よく便所の
背面
(
うしろ
)
から弓の道場の板囲いの蔭に隠れて、あの廃屋の二階に上りました。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ああ驚いちゃった。料理部屋の
背面
(
うしろ
)
なんです。あすこの
石炭
(
すみ
)
の山の上にエムプレス・チャイナの青い金モール服を
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今朝
背面
(
うしろ
)
から我が縫ひし羽織打ち掛け着せて出したる男の上を気遣ふところへ、表の骨太格子手あらく開けて、姉御、兄貴は、なに感応寺へ、仕方が無い、それでは姉御に
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
思いがけない野原となったり、
眩
(
まぶ
)
しい夕焼けの空となったり、又はなつかしい父親の横顔になったり、母親の
背面
(
うしろ
)
姿になったりして、切れ切れのままハッキリと
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今朝
背面
(
うしろ
)
からわが縫いし羽織打ち掛け着せて出したる男の上を気遣うところへ、表の
骨太格子
(
ほねぶとごうし
)
手あらく
開
(
あ
)
けて、姉御、兄貴は、なに感応寺へ、仕方がない、それでは姉御に
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何とかしてやらなければ
堪
(
た
)
まらないほど痛々しい少女の泣声と、そのいじらしい
背面
(
うしろ
)
姿が、白い寝床の上に泣伏して、わななき狂うのを、どうする事も出来ないのが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
思わず転ぶを得たりやと
笠
(
かさ
)
にかかって清吉が振り
冠
(
かぶ
)
ったる釿の刃先に夕日の光の
閃
(
きら
)
りと宿って空に知られぬ
電光
(
いなずま
)
の、
疾
(
と
)
しや遅しやその時この時、
背面
(
うしろ
)
の方に乳虎一声、馬鹿め
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
疾しや遅しや其時此時、
背面
(
うしろ
)
の方に
乳虎
(
にうこ
)
一声、馬鹿め、と叫ぶ男あつて二間丸太に論も無く
両臑
(
もろずね
)
脆く
薙
(
な
)
ぎ倒せば、倒れて益〻怒る清吉、忽ち
勃然
(
むつく
)
と起きんとする襟元
把
(
と
)
つて、やい
我
(
おれ
)
だは
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
“背面”の意味
《名詞》
背 面(はいめん)
物体の後の面。
物事の裏に隠された別の面。
(出典:Wiktionary)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“背面”で始まる語句
背面向