肌膚はだへ)” の例文
つぐる鐘耳元に響き渡り寒風かんぷう肌膚はだへさすが如く一しほ待遠まちどほく思ふに就我家の事を氣遣きづかもし母樣が御目を覺され此身の居らぬを尋ねはし給はぬか然共折角せつかく是迄來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれ例年いつになく身體からだやつれがえた。かさ/\と乾燥かんさうした肌膚はだへが一ぱん老衰者らうすゐしや通有つういうあはれさをせてるばかりでなく、そのおほきな身體からだにくおちてげつそりとかたがこけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人の肌膚はだへの豹の目はむらなす花にいりまじり
小松こまつくぬぎはやしまじつて、これれゝばひと肌膚はだへせるほどこは意地いぢわるつたすゝきまでが、さうしなければにもたないのに態々わざ/\薄赤うすあかやはらかな穗先ほさきたかくさしげて、ひとばいさわいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)