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肉塊
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にくかい
ふりがな文庫
“
肉塊
(
にくかい
)” の例文
そこには、ゴチャゴチャと無数の
肉塊
(
にくかい
)
が
蠢
(
うごめ
)
いていた。人肉の
万華鏡
(
ばんかきょう
)
みたいなものが、眼界一杯に、あやしくも美しく開いていたのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
親の責任が特に軽くなったわけではないけれど、いずれも生れたてのあの柔かい
肉塊
(
にくかい
)
に対して感じた責任感は、少し
気軽
(
きがる
)
になった。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
やがて最初の
餌
(
え
)
の肉のところへくると、大きな足跡が、そこへ立ちどまった形に残っていて、
肉塊
(
にくかい
)
はなくなっている。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
光枝が見ると、旦那様は、壁の方に向き伏して、その大きな
肉塊
(
にくかい
)
が、早いピッチでうごめいているのを認めた。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
暗い、きたない、ごみごみした家に沢山の大小の
肉塊
(
にくかい
)
がころがって居るのである。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
彼等は声と、鼻息と、跫音と、
衣
(
きぬ
)
ずれの音と、そして、幾つかの丸々とした弾力に富む
肉塊
(
にくかい
)
に過ぎないのでございます。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
九百匁の
肉塊
(
にくかい
)
が、次第に増量して行くことは世のつねであるが、ただ違ったのは、私がいつも在宅であることである。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
ふくら脛のすこし上のところに、まだ一度も陽の光に当ったことがないようなむっつり白い
肉塊
(
にくかい
)
があって、
象牙
(
ぞうげ
)
に
彫
(
ほ
)
りきざんだような可愛い筋が二三本
匍
(
は
)
っていた。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
次の瞬間、何かしらサッと、稲妻の様なものが閃いたかと思うと、横わっていた
肉塊
(
にくかい
)
が、非常な
勢
(
いきおい
)
で飛上った。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは手術に電気メスを使うようになって、厚い皮膚でも、
逞
(
たくま
)
しい
肉塊
(
にくかい
)
でも、それからまた
硬
(
かた
)
い骨でも、まるでナイフで紙を
裂
(
さ
)
くように簡単に切開できるせいだった。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その一方、白丘ダリアは
益々
(
ますます
)
健康に輝き
頸
(
くび
)
から胸へかけての曲線といい、腰から下の飛び出したような
肉塊
(
にくかい
)
といい、まるで張りきった太い
腸詰
(
ちょうづめ
)
を
連想
(
れんそう
)
させる程だった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、経帷子で指環を小さくくるみ、懐中にねじ込むと、
足許
(
あしもと
)
にころがっている、
素裸体
(
すっぱだか
)
の
肉塊
(
にくかい
)
を、さも
面倒臭
(
めんどうく
)
さ相に、手と足を使って、新しく掘った墓穴の中へ、落しこんだのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
九個のバラバラの
肉塊
(
にくかい
)
にし、蟒どもに振舞ってやったら、
嘸
(
さぞ
)
よろこんで呑むことでしょうな
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
切岸
(
きりぎし
)
から、飛び込む
肉塊
(
にくかい
)
の群、舟の上から透いて見える池中の人魚共、魚紋と乱れる水中男女の「子を取ろ、子取ろ」、人間の
滝
(
たき
)
つ
瀬
(
せ
)
と落下するウォーターシュートの水しぶき……客達は
已
(
すで
)
にして
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
頸動脈
(
けいどうみゃく
)
を切断して、ドンドンその濁った
血潮
(
ちしお
)
をかいだしても、かい出し
尽
(
つく
)
せるものではなかった。彼の
肉塊
(
にくかい
)
をいちいち引裂いて火の中に投じても、焼き尽せるものではなかった。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
女史の豊満な白い
肉塊
(
にくかい
)
を更に生かすつもりであったことと、女史が最後につけていた
長襦袢
(
ながじゅばん
)
が驚くべき
図柄
(
ずがら
)
の、実に
絢爛
(
けんらん
)
を
極
(
きわ
)
めた色彩のものであったことを述べて置くに
止
(
とど
)
めたい。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
胸をふさぐような
煙硝
(
えんしょう
)
の臭い、叫び声をあげて
擦
(
す
)
り
脱
(
ぬ
)
ける砲弾、悪魔が大口を開いたような砲弾の炸裂、
甲板
(
かんぱん
)
に飛び散る真紅な鮮血と
肉塊
(
にくかい
)
、白煙を長く残して海中に墜落してゆく飛行機
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“肉塊”の意味
《名詞》
肉塊(にくかい)
肉のかたまりのこと。
肉体。
(出典:Wiktionary)
肉
常用漢字
小2
部首:⾁
6画
塊
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“肉”で始まる語句
肉
肉体
肉桂
肉汁
肉體
肉刺
肉叉
肉身
肉置
肉食