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老鋪
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しにせ
ふりがな文庫
“
老鋪
(
しにせ
)” の例文
お米といって、これはそのおじさん、辻町糸七——の
従姉
(
いとこ
)
で、
一昨年
(
おととし
)
世を去ったお京の娘で、土地に
老鋪
(
しにせ
)
の
塗師屋
(
ぬしや
)
なにがしの妻女である。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人の噂では、日清戦争頃に、秋田あたりの
岩緑青
(
いわろくしょう
)
を買占めにかかったのが、当ったので、それまでは
老鋪
(
しにせ
)
と云うだけで、お得意の数も指を折るほどしか無かったのだと云う。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
継いだばかりです。昔からの
老鋪
(
しにせ
)
ですから、財産は随分ありましょう。同業者中でも屈指だそうです。
宇治
(
うじ
)
に別荘があります。店丈けでも雇人が十何人とか申しました。工場の方は……
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
さて、店を並べた、
山茱萸
(
やまぐみ
)
、
山葡萄
(
やまぶどう
)
のごときは、この
老鋪
(
しにせ
)
には余り資本が
掛
(
かか
)
らな過ぎて、恐らくお
銭
(
あし
)
になるまいと考えたらしい。で、精一杯に売るものは。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
京師
(
けいし
)
の
張廣號
(
ちやうくわうがう
)
は、
人參
(
にんじん
)
の
大問屋
(
おほどんや
)
で、
聞
(
きこ
)
えた
老鋪
(
しにせ
)
。
銀座
(
ぎんざ
)
で
一番
(
いちばん
)
、と
云
(
い
)
ふづツしりしたものである。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
大火鉢
(
おほひばち
)
に
火
(
ひ
)
がくわん/\と
熾
(
おこ
)
つて、
鐵瓶
(
てつびん
)
が、いゝ
心持
(
こゝろもち
)
にフツ/\と
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てて
居
(
ゐ
)
る。
銅壺
(
どうこ
)
には
銚子
(
てうし
)
が
並
(
なら
)
んで、
中
(
なか
)
には
泳
(
およ
)
ぐのがある。
老鋪
(
しにせ
)
の
旦那
(
だんな
)
、
新店
(
しんみせ
)
の
若主人
(
わかしゆじん
)
、
番頭
(
ばんとう
)
どん、
小僧
(
こぞう
)
たちも。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
柳屋
(
やなぎや
)
は
土地
(
とち
)
で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、
手廣
(
てびろ
)
く
商
(
あきなひ
)
をするのではなく、八九十
軒
(
けん
)
もあらう百
軒
(
けん
)
足
(
た
)
らずの
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜藏
(
きざう
)
といふ
若
(
わか
)
い
亭主
(
ていしゆ
)
が、
自分
(
じぶん
)
で
賣
(
う
)
りに
𢌞
(
まは
)
るばかりであるから
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳屋は土地で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、手広く
商
(
あきない
)
をするのではなく、八九十軒もあろう百軒足らずのこの部落だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜蔵
(
きぞう
)
という若い亭主が、自分で売りに
廻
(
まわ
)
るばかりであるから
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
鋪
漢検準1級
部首:⾦
15画
“老鋪”で始まる語句
老鋪代