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緋葉
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もみじ
ふりがな文庫
“
緋葉
(
もみじ
)” の例文
しばらくすると、この
旱
(
ひでり
)
に水は
涸
(
か
)
れたが、
碧緑
(
へきりょく
)
の葉の深く繁れる中なる、
緋葉
(
もみじ
)
の滝と云うのに対して、紫玉は
蓮池
(
はすいけ
)
の
汀
(
みぎわ
)
を
歩行
(
ある
)
いていた。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
少時
(
しばらく
)
すると、此の
旱
(
ひでり
)
に水は
涸
(
か
)
れたが、
碧緑
(
へきりょく
)
の葉の深く繁れる中なる、
緋葉
(
もみじ
)
の滝と云ふのに対して、紫玉は
蓮池
(
はすいけ
)
の
汀
(
みぎわ
)
を
歩行
(
ある
)
いて居た。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、松と
緋葉
(
もみじ
)
の中なれば、さすらう
渠等
(
かれら
)
も恵まれて、
足許
(
あしもと
)
の影は
駒
(
こま
)
を
横
(
よこた
)
え、
裳
(
もすそ
)
の
蹴出
(
けだ
)
しは霧に乗って、
対
(
つい
)
の
狩衣
(
かりぎぬ
)
の風情があった。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
霜に
緋葉
(
もみじ
)
の散る道を、
爽
(
さわやか
)
に故郷から
引返
(
ひっかえ
)
して、再び上京したのでありますが、福井までには及びません、私の故郷からはそれから七里さきの
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大悪相を顕じたのである。従って女の口を
洩
(
も
)
るる点々の血も、
彼処
(
かしこ
)
に
手洗水
(
みたらし
)
に
湧
(
わ
)
く水脈に響いて、
緋葉
(
もみじ
)
をそそぐ滝であった。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
象徴
(
かたど
)
ったものだ。
緋葉
(
もみじ
)
もなお濃い。……不思議なもののような気がする。ただの白い饅頭では断じてない。はてな。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
框
(
かまち
)
の障子を、膝をついて開けると、板に置いた、つつみものを手に引きつけて、居直る時、心
急
(
せ
)
いた
状
(
さま
)
に前褄が浅く揺れて、帯の模様の
緋葉
(
もみじ
)
が散った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
氷月と云う汁粉屋の裏垣根に近づいた時、……秋は七草で
待遇
(
もてな
)
したろう、枯尾花に白い風が立って、雪が
一捲
(
ひとま
)
き頭巾を吹きなぐると、紋の名入の
緋葉
(
もみじ
)
がちらちらと空に舞った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
話にききとれていたせいではあるまい、お米の顔は
緋葉
(
もみじ
)
の蔭にほんのりしていた。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其処へ、ちらちらと
真紅
(
まっか
)
な
緋葉
(
もみじ
)
も散れば、色をかさねて、松杉の影が
映
(
さ
)
します。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天井へ
宙乗
(
ちゅうのり
)
でもするように、ふらふらふらふら、山から山を
経歴
(
へめぐ
)
って……ええちょうど昨年の今月、日は、もっと末へ寄っておりましたが——この
緋葉
(
もみじ
)
の
真最中
(
まっさいちゅう
)
、草も雲も
虹
(
にじ
)
のような彩色の中を
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お嬢さんは手を
引込
(
ひっこ
)
めた。枯野の霧の
緋葉
(
もみじ
)
ほど、三崎街道の人の目をひいたろう。色ある半帕も、安んじて袖の
振
(
ふり
)
へ納った。が、うっかりした。その頬を
拭
(
ぬぐ
)
った濡手拭は、火鉢の縁に
掛
(
かか
)
っている。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
辻町糸七の
外套
(
がいとう
)
の袖から
半間
(
はんま
)
な
面
(
つら
)
を出した昼間の提灯は、松風に
颯
(
さっ
)
と誘われて、いま二葉三葉散りかかる、折からの
緋葉
(
もみじ
)
も
灯
(
とも
)
れず、ぽかぽかと暖い磴の
小草
(
こぐさ
)
の日だまりに、あだ白けて、のびれば
欠伸
(
あくび
)
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのたびに、崖の
緋葉
(
もみじ
)
がちらちらと映りました、夢のようだ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝉はひとりでジジと笑って、
緋葉
(
もみじ
)
の影へ
飜然
(
ひらり
)
と飛移った。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緋
漢検準1級
部首:⽷
14画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“緋”で始まる語句
緋
緋縮緬
緋鯉
緋色
緋縅
緋鹿子
緋毛氈
緋桃
緋羅紗
緋鹿