“真顔:まがお” の例文
“真顔:まがお”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山4
下村湖人2
芥川竜之介2
谷崎潤一郎2
吉川英治2
“真顔:まがお”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 工芸 > 金工芸25.0%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語1.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
しかし一等運転手は真顔まがおになって、真剣に腰をかがめながら、船長室内のそこ、ここをのぞきまわり初めた。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
真顔まがおになって、何も心配することはないよ。この大阪にはもとよりいず……ああ今頃は、どこを流して流れているかも分らない……」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おい、君は『しろ同人どうじんの音楽会の切符を売りつけられたか。」と真顔まがおになって問いかけた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
キザミ煙草をおいしそうに吸っていたマンは、そういって笑ったが、ふっと、いたずらっぽい真顔まがおになって、
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
己もお前を子供だと思わずに大人おとなにきいてもらうつもりではなしをするとそういってそれをいうときはいつもたいへん真顔まがおになって
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
川島は真顔まがおにたしなめた。けれども小栗はまっ赤になりながら、少しもひるまずに云い返した。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まんざら、おひゃらかすとも見えないように真顔まがおになって、先生をめ立てたから堪りません。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だのにあなたはこんな人生が、つかのまの満足のために危険をおかしてはならないほど大事なものだと、真顔まがおでわたしに説教なさるおつもりね。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
と、お祖母さんは、冗談じょうだんのように言って笑ったが、すぐまた真顔まがおになって、
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
自分の願いは、早く針を売り上げて、故郷の中村へ帰り、一刻も早く、母親の顔を見たいことしかない——というような意味を、より以上真顔まがおになって述べた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つかつかと行懸ゆきかけた与吉は、これを聞くと、あまり自分の素気そっけなかったのに気がついたか、小戻こもどりして真顔まがおで、眼を一ツしばだたいて、
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真顔まがおになって、こんなことを言い出しましたから、お角もおかしくなって、
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と源三郎が、いつになくつつましやかな真顔まがおで、ツと身を避けると……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
与吉の真面目まじめなのに釣込つりこまれて、笑うことの出来なかったお品は、到頭とうとう骨のある豆腐の注文を笑わずに聞き済ました、そして真顔まがおたずねた。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝倉先生はそう言って笑ったが、すぐ真顔まがおになり、床の間の「平常心」の軸にちょっと眼をやった。そして、はしを動かしながら、しばらく何か考えるようなふうだったが、
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
道庵も少し真顔まがおに考え込んでいたが、やがて声の調子を一本上げて、
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と朝倉先生は愉快ゆかいそうに笑ったが、すぐ真顔まがおになり、
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「一生の頼み? 真顔まがおで言うだけに気味が悪い」
「その代り冬休というやつが直ぐ前に控えていますからな。左右に火鉢、うまい茶を飲みながら打つたのしみは又別だ」といいつつ老人は懐中ふところから新聞を一枚出して、急に真顔まがおになり
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「どうだ政どん」と壮平老人はこのとき真顔まがおになって云った。「この辺で、一件の話を聞かせてくれてもいいじゃないか。あの倉庫から搬び出した中身のこと、それからお前が横浜はまへ流れてきた訳など」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
急に、真顔まがおになって、金五郎がいった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
と、真顔まがおで云うのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
君兪は最初は気位の高いところから、町人の腹ッぷくれなんぞ何だという位のことで贋物を真顔まがおで視せたのであるが、元来が人の悪い人でも何でもなく温厚の人なので、欺いたようになったまま済ませて置くことは出来ぬと思った。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もちろん彼の説などは、りどころのない駄法螺だぼらなので、それをいかにももっともらしく、真顔まがおを作って話すというのは、どうやらお品に弱点を握られ、今にもそこへさわられそうなのが、気恥ずかしく思われたからであった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そりゃア解ってるさ。君のようにむやみと薬を飲むカラダじゃないからね。年なんかアテにならん。僕がアトへ残るのは知れ切ってる。こりゃあマジメだよ、君が死ねばきっと墓石へ書いてやる。森に墓銘を書かせろと遺言状に書いて置いてもイイ、」と真顔まがおになっていった。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)