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盲目
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もうもく
ふりがな文庫
“
盲目
(
もうもく
)” の例文
このとき、
盲目
(
もうもく
)
の
母親
(
ははおや
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
きながら、十五、六の
娘
(
むすめ
)
が、
雪道
(
ゆきみち
)
を
歩
(
ある
)
いていきました。
母親
(
ははおや
)
は
三味線
(
しゃみせん
)
を
抱
(
かか
)
えていました。
旅芸人
(
たびげいにん
)
です。
雪消え近く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この時の春琴女はすでに両眼の
明
(
めい
)
を失ってから二十有余年の後であるけれども
盲目
(
もうもく
)
というよりは眼をつぶっているという風に見える。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と云いながら古竹の杖を持って無闇に振廻しますが、
盲目
(
もうもく
)
でこそあれ真影流の
奥儀
(
おくぎ
)
を
極
(
きわ
)
めた腕前の小三郎、寄り附かんように振廻す。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家をまもる陰鬱な虫の
盲目
(
もうもく
)
の希いが、天皇は自分であるということを、てんから不動
盤石
(
ばんじゃく
)
に、疑らせもしなかったのだ、と。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
張
(
は
)
ったばかりの
天井
(
てんじょう
)
にふんの
砂子
(
すなご
)
を
散
(
ち
)
らしたり、馬の
眼瞼
(
がんけん
)
をなめただらして
盲目
(
もうもく
)
にする
厄介
(
やっかい
)
ものとも見られていた。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
その後カションはいかなる
病気
(
びょうき
)
に
罹
(
かか
)
りけん、
盲目
(
もうもく
)
となりたりしを見てこれ等の内情を知れる人々は、
因果
(
いんが
)
覿面
(
てきめん
)
、
好
(
よ
)
き
気味
(
きみ
)
なりと
竊
(
ひそか
)
に
語
(
かた
)
り合いしという。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
「君のような都会人は、ああ云う種類の美に
盲目
(
もうもく
)
だからいかん。」と、妙な所へ攻撃の火の手を上げ始めた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「深夜しかもこの
深岳
(
しんがく
)
だ、弦之丞のやつは山にこもって、血に狂したやぶれかぶれ、人と見たら
盲目
(
もうもく
)
に斬りつけるだろう。とても、吾々にもあんな勇気はないよ」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もうこうなると、綾衣も
盲目
(
もうもく
)
になった。末のことなどを見透している
余裕
(
ゆとり
)
はなかった。その日送りに面白い逢う瀬を重ねているのが、若い二人の楽しい恋のいのちであった。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何だか勇ましいような
惨
(
いた
)
ましいような一種の気分が、
盲目
(
もうもく
)
の景清の強い
言葉遣
(
ことばづかい
)
から、また
遥々
(
はるばる
)
父を尋ねに
日向
(
ひゅうが
)
まで
下
(
くだ
)
る娘の態度から、涙に化して自分の眼を輝かせた場合が、一二度あった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雪の場合のように目標が
茫漠
(
ぼうばく
)
としていて、手探りの
盲目
(
もうもく
)
飛行の中で、一点の雲の切れ目を
捕
(
とら
)
えて、機を逸せずその方へ
突入
(
とつにゅう
)
して行くようなことをくり返して行く仕事では、小出しに満を持しては
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
お
父
(
とっ
)
さま誠に残念でございます、小三郎薄命にして
斯
(
かゝ
)
る眼病に相成り、御尊父の妄執を晴らす事もお刀の詮議をいたすことも此の
盲目
(
もうもく
)
では思いもよらず、又大野惣兵衞に
出会
(
しゅっかい
)
いたす時あるとも
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ある蒸し暑い
雨
(
あま
)
もよいの
夜
(
よ
)
、舞台監督のT君は、
帝劇
(
ていげき
)
の
露台
(
バルコニー
)
に
佇
(
たたず
)
みながら、
炭酸水
(
たんさんすい
)
のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの
亜麻色
(
あまいろ
)
の髪の毛をした
盲目
(
もうもく
)
詩人のダンチェンコとである。
カルメン
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
盲目
(
もうもく
)
一路
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盲
常用漢字
中学
部首:⽬
8画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“盲目”で始まる語句
盲目縞
盲目滅法
盲目的
盲目地
盲目結
盲目馬
盲目突
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