“帝劇”の読み方と例文
読み方割合
ていげき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
資本主義の帝劇ていげき歌舞伎座かぶきざのいばった切符嬢とはたいした相違でうれしかった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ある蒸し暑いあまもよいの、舞台監督のT君は、帝劇ていげき露台バルコニーたたずみながら、炭酸水たんさんすいのコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色あまいろの髪の毛をした盲目もうもく詩人のダンチェンコとである。
カルメン (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
銀座ぎんざ松屋まつやの南入り口をはいるといつでも感じられるある不思議なにおいは、どういうものか先年アンナ・パヴロワの舞踊を見に行ったその一夕の帝劇ていげきの観客席の一隅いちぐうに自分の追想を誘うのである。
試験管 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)