白熊しろくま)” の例文
そのころは、こゝらは、一面の雪と氷で白熊しろくま雪狐ゆきぎつねや、いろいろなけものが居たさうだ。お父さんはおれが生れるときなくなられたのだ。
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
探険船シビリアコフ号の北氷洋航海中に撮影されたエピソード映画の中に、一頭の白熊しろくまを射殺し、その子を生け捕る光景が記録されている。
空想日録 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あそこで大きな白熊しろくまがうろつき、ピングィンちょうしりを据えてすわり、光って漂い歩く氷の宮殿のあたりに、昔話にありそうな海象かいぞうが群がっている。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
勘察加産カムチヤツカさん白熊しろくまがあるなつのこと、みづからあがり、それでもあせをだらだらながしながら
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
……白熊しろくまの眼のようだというひともありますけど、それだって、すこしほめすぎているくらいよ。……でも、視力だけはたしかなの。なんでも、よく見えますわ。……あら、ごめんなさい
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
初編に白熊しろくまの事をのせたるゆゑ、白烏しろからすもまたこゝにしるしぬ。
そのころは、ここらは、一面の雪と氷で白熊しろくま雪狐ゆきぎつねや、いろいろなけものが居たそうだ。お父さんはおれが生れるときなくなられたのだ。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
氷海の無辜むこの住民たる白熊しろくまに対してはソビエト探険隊員は残虐なる暴君として血と生命との搾取者としてスクリーンの上に映写されるのである。
空想日録 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
初編に白熊しろくまの事をのせたるゆゑ、白烏しろからすもまたこゝにしるしぬ。
だから僕たちはその辺でまあ五六日はやすむねえ、そしてまったくあの辺は面白いんだよ。白熊しろくまは居るしね、テッデーベーヤさ。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
○ 白熊しろくま
白熊しろくまのやうな犬を二ひきつれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさ/\したとこを、こんなことをひながら、あるいてをりました。
注文の多い料理店 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
そのあとから二十人ばかりのすさまじい顔つきをした人がどうもそれは人といふよりは白熊しろくまといつた方がいゝやうな、いや
氷河鼠の毛皮 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「わん、わん、ぐわあ。」といふ声がして、あの白熊しろくまのやうな犬が二ひきをつきやぶつてへやの中に飛び込んできました。
注文の多い料理店 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「わん、わん、ぐゎあ。」という声がして、あの白熊しろくまのような犬が二ひきをつきやぶってへやの中に飛び込んできました。
注文の多い料理店 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それは白熊しろくまでした。非常にあわててやって来ます。獅子が頭を一つ振って道にステッキをつき出して云ひました。
月夜のけだもの (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
山脈さんみゃくわか白熊しろくま貴族きぞく屍体したいのようにしずかに白くよこたわり、遠くの遠くを、ひるまの風のなごりがヒュウとって通りました。それでもじつにしずかです。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「行け行け。」白熊しろくまは頭をきながら一生懸命向ふへ走って行きました。象はいまごろどこかで赤いじゃの目のかさをひろげてゐるはずだがとわたくしは思ひました。
月夜のけだもの (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
向ふから白熊しろくまが一目散に走って来ます。獅子は道へステッキをつき出して呼びとめました。
月夜のけだもの (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「しゆ、あんまり行つていけないつたら。」雪狼のうしろから白熊しろくまの毛皮の三角帽子をあみだにかぶり、顔を苹果りんごのやうにかがやかしながら、雪童子ゆきわらすがゆつくり歩いて来ました。
水仙月の四日 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「しゅ、あんまり行っていけないったら。」雪狼のうしろから白熊しろくまの毛皮の三角帽子ぼうしをあみだにかぶり、顔を苹果りんごのようにかがやかしながら、雪童子ゆきわらすがゆっくり歩いて来ました。
水仙月の四日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
二人の若い紳士しんしが、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲てっぽうをかついで、白熊しろくまのような犬を二ひきつれて、だいぶ山奥やまおくの、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことをいながら
注文の多い料理店 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「どんどんかけて来る。早い早い、大きくなった、白熊しろくまのようだ」
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)