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白楊
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はこやなぎ
ふりがな文庫
“
白楊
(
はこやなぎ
)” の例文
この樺の林へ来るまえに、自分は猟犬を曳いて、さる高く茂ッた
白楊
(
はこやなぎ
)
の林を過ぎたが、この樹は——白揚は——ぜんたい虫がすかぬ。
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
身を躍らせて山を
韋駄天
(
いだてん
)
ばしりに駈け下りみちみち何百本もの材木をかっさらい川岸の
樫
(
かし
)
や
樅
(
もみ
)
や
白楊
(
はこやなぎ
)
の大木を根こそぎ抜き取り押し流し
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
前岸
(
むこうぎし
)
はもとのままの湖の縁で
飛
(
とび
)
とびに生えた
白楊
(
はこやなぎ
)
が黒く立っていて、その白楊の下の暗い処からそこここに燈の光が見えている。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
薄い
白楊
(
はこやなぎ
)
の板を曲げて拵らえた箱だの、白樺の皮で編んだ
籃
(
かご
)
だの、その他貧富の別なくロシア人が日常つかうさまざまな道具の山であった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
池のまはりには、一面に
芦
(
あし
)
や
蒲
(
がま
)
が茂つてゐる。その
芦
(
あし
)
や
蒲
(
がま
)
の向うには、
背
(
せい
)
の高い
白楊
(
はこやなぎ
)
の
並木
(
なみき
)
が、
品
(
ひん
)
よく風に
戦
(
そよ
)
いでゐる。
蛙
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
南佐久
(
みなみさく
)
の村々の間をはじめの一時間ばかりは何事もなく千曲川に沿ってゆくだけだが、そのうち川辺の風景が少しずつ変ってきて、
白楊
(
はこやなぎ
)
や
樺
(
かば
)
の木など多くなり
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
姪
(
めい
)
は横になったまま、もの思いにふけり、月がのぼり、その光が
格子
(
こうし
)
の前の
白楊
(
はこやなぎ
)
の葉のうえにふるえているのを見つめていた。城の時計がちょうど真夜中を告げた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
鼠色の
白楊
(
はこやなぎ
)
よ、罪ありさうに
顫
(
ふる
)
へてゐる、
全體
(
ぜんたい
)
どんな
打明話
(
うちあけばなし
)
が、その
蒼白
(
あをじろ
)
い葉の上に書いてあつたのだらう、どういふ思出を恐れてゐるのだ、秋の
小逕
(
こみち
)
に棄てられた熱に惱んだ
少女子
(
をとめご
)
よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
はた、辻の
真昼
(
まひる
)
どき、
白楊
(
はこやなぎ
)
にほひわななき
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
身
(
み
)
は
河
(
かは
)
ぞひの
白楊
(
はこやなぎ
)
、またひこばえて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
〽
白楊
(
はこやなぎ
)
の林に豹が隠れ
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一方、園のいちばん
端
(
はず
)
れには、他の樹木とは不釣合いに背の高い
白楊
(
はこやなぎ
)
が四五本、そのさやさやと揺らめくおのおのの梢に大きな鴉の巣をのせている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
右の
耳朶
(
みみたぶ
)
から頬にかけてぴしゃっと平手が命中した。私は泥のなかに両手をついた。とっさのうちに百姓の片脚をがぶと噛んだ。脚は固かった。路傍の
白楊
(
はこやなぎ
)
の
杙
(
くい
)
であった。
逆行
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その
路縁
(
みちぶち
)
にも、そこここに
白楊
(
はこやなぎ
)
が立ち、水の中へかけて
蘆
(
あし
)
の
嫩葉
(
わかば
)
が湖風に
幽
(
かす
)
かな音を立てていた。白楊の影になった月の光の
射
(
さ
)
さない処に一つ二つ小さな光が見えた。それは
蛍
(
ほたる
)
であった。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
空と
艸木
(
くさき
)
との
映
(
うつ
)
つた池の水面が、
殆
(
ほとんど
)
埋
(
うま
)
る位な蛙だから、賛成の声も
勿論
(
もちろん
)
大したものである。
丁度
(
ちやうど
)
その時、
白楊
(
はこやなぎ
)
の根元に眠つてゐた
蛇
(
へび
)
は、このやかましいころろ、かららの声で眼をさました。
蛙
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かかる
夜
(
よ
)
なりき、
白楊
(
はこやなぎ
)
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
ありや、
紀念
(
かたみ
)
の
白楊
(
はこやなぎ
)
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
別れは、小野の
白楊
(
はこやなぎ
)
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かかる夜なりき、
白楊
(
はこやなぎ
)
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ありや、
記念
(
かたみ
)
の
白楊
(
はこやなぎ
)
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
楊
漢検準1級
部首:⽊
13画
“白楊”で始まる語句
白楊樹
白楊子