留桶とめをけ)” の例文
小僧こぞうを、根附ねつけで、こしところひきつけて、留桶とめをけまへに、流臺ながしだい蚊脛かずねをはだけて、せた仁王にわうかたち
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いた留桶とめをけを置いて洗つてゐる年輩ねんぱいの人が、御近辺ごきんぺんのお心安こゝろやすかたと見えて言葉をかけ、甲
年始まはり (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さて通口かよひぐち組違くみちがへて、かどのない千兩箱せんりやうばこ積重つみかさねた留桶とめをけを、片手掴かたてづかみで、水船みづぶねから掬出くみだしては、つかり加減かげんところねらつて十杯じつぱいばかり立續たてつゞけにざぶ/\とちまける。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
猶以なほもつねんために、べつに、留桶とめをけ七八杯しちはちはいおよ湯船ゆぶねたかさまで、こほるやうな水道すゐだうみづ滿々まん/\たゝへたのを、ふなべり積重つみかさねた。これは奧方おくがた注意ちうい以外いぐわい智慧ちゑで、ざぶ/\と掻𢌞かきまはして
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)